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最終更新日:2022年10月14日

けっかんしゅ血管腫

こちらの記事の監修医師
みやびクリニック
矢加部 文

血管腫

概要

血管腫は、血管奇形とも呼ばれる血管の異常病変であり、一般的には、血管が拡張したり増殖したりすることによって、血管に生じる良性腫瘍のことを指します。出現する腫瘤や症状、その種類によってさまざまなタイプに分類され、単純性血管腫(毛細血管奇形)、イチゴ状血管腫(乳児血管腫)や海綿状血管腫(静脈奇形)、房状血管腫、動静脈奇形などの疾患が存在します。経過観察のみで症状の改善が期待できるものから、レーザー治療が必要なケースや外科的な手術が必要となるケースなど、タイプによって治療の方法も異なります。 出生時に既に出現している血管腫もあれば、徐々に出現するようなものもあり、原因など未だ明らかになっていない部分も多くある疾患です。

原因

血管腫の明確な原因は明らかになっていません。 生まれつき、出現していることが多いです。

症状

血管腫はいくつかの種類やタイプに分類でき、症状も種類によって異なります。単純血管腫(毛細血管奇形)は、生まれつきできている平たい「あざ」のことをいいます。イチゴ状血管腫(乳児血管腫)は、生後間もなく出現する紅斑が徐々に赤みを増して盛り上がり、1歳くらいまで大きくなります。多くの場合、小学校低学年頃に徐々に赤みが引いていきます。海綿状血管腫(静脈奇形)は、出生時から存在する皮下腫瘤であり、淡い青味(青く透けているように見える)が特徴です。その他にも、リンパ管奇形などの病態も存在しており、種類や症状に応じた対応が必要となります。

検査・診断

血管腫の診断を行うには、問診や視診、触診が基本となります。いつ頃から病変が出現したのか、病変が出現した際には、引っ掻いたり、ぶつけたりしたことはあったか、などを聞き取っていきます。出血の有無や“しこり”や腫瘤のかたさなども重要な情報源となります。問診や視診、血液検査(凝固能検査)などの他、必要に応じて超音波検査(エコー)やMRI検査などを行い、より詳細な検査を実施していきます。その他、皮膚病変の一部分を切り取って顕微鏡で観察する病理検査を行う場合もあります。

治療

血管腫の種類によっても治療方法は異なります。単純性血管腫で、目立つ場所にあり人から指摘を受けたりストレスを感じる場合は、レーザー治療を行います。いちご状血管腫は、小学校低学年ごろまでに75%程度目立ちにくくなるので、以前は経過観察が基本でしたが、近年は、赤ちゃんにも使用できる安全なレーザー機械で治療できるようになり、急激に血管腫が大きくなる場合には安全性の高い飲み薬が使えるようになったことで、いちご状血管腫の治療は大きく変わりました。海綿状血管腫とよばれる静脈奇形が確認される場合、整容面などの見た目の問題だけではなく、痛みなどの症状を発生させる可能性もあるため、手術による外科的な切除を試みたり、硬化療法と呼ばれる治療が行われることもあります。硬化療法とは、血管奇形が出現している部分に、硬化剤と呼ばれる薬剤を注入することで、異常が出現している血管の一部分を固めてしまうという治療です。血液が流入する部分を硬化剤で固めてしまうことで、血管腫内の血液の溜まりを防ぎ、症状を緩和する効果が期待できます。

予防/治療後の注意

基本的に血管腫は良性腫瘍ですが、見た目や整容上の問題もあり、レーザー治療などの治療介入を行って、症状を緩和する場合もあります。レーザー治療、薬を使った硬化療法や手術療法などにも副作用が存在するため、副作用と治療効果のバランスを考えながら治療を開始していく必要があります。

こちらの記事の監修医師

みやびクリニック

矢加部 文

(診療科目)
形成外科・美容皮膚科

(経歴)
1977年6月春日市で生まれ、高校まで過ごしました。
2002年長崎大学医学部卒業
長崎大学形成外科入局
長崎大学病院・長崎医療センター・福岡徳洲会病院で形成外科勤務
2011年ナグモクリニック福岡院勤務
福岡大学形成外科 レーザー外来・美容医療担当
メディアージュクリニック勤務
2016年形成外科・美容皮膚科 みやびクリニック 開院

(所属学会)
日本形成外科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本抗加齢医学会、日本乳癌学会、オンコプラスティックサージャリー学会、日本創傷外科学会、日本熱傷学会

治療に適した診療科目

形成外科

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