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最終更新日:2022年7月6日

いしゅくせいいえん萎縮性胃炎

こちらの記事の監修医師
めじろ内科クリニック
久野 伸夫

萎縮性胃炎

概要

萎縮性胃炎とは、胃の粘膜に長期間にわたって炎症が生じる慢性胃炎により、粘膜が壊されたり修復されたりすることが繰り返され、しだいに胃の粘膜が薄くやせた状態になる胃炎のことをいいます。ヘリコバクター・ピロリという細菌によって起こった萎縮性胃炎では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、悪性リンパ腫の一種である胃MALTリンパ腫などの病気を起こす可能性が高くなるとされています。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)により検査、診断されることが一般的です。治療としては、薬物療法、ピロリ菌の除菌治療、生活習慣の改善が挙げられます。

原因

ほとんどの萎縮性胃炎はピロリ菌が原因です。その多くは幼少期に感染し、長期間にわたってピロリ菌が居座り、炎症を起こし続けることによって粘膜が萎縮します。ピロリ菌の感染は、免疫力が弱く、胃酸の分泌が十分でない2~5歳頃の子供の時に起こるとされています。経口感染しやすいピロリ菌は、上下水道が普及していない衛生環境が悪かった時代に幼少期を過ごした65歳以上の方では、感染率は80~90%程度といわれています。しかし、衛生環境が整備されるに伴い感染率は低下の一途をたどっています。また、自分を自分で攻撃してしまう自己免疫によっても粘膜の炎症や萎縮が起こることがあります。

症状

多くは無症状で経過します。ピロリ菌の感染初期などにチクチクした胃痛や、胃が重い、胃のむかつき、胸焼け、吐き気、腹部の張り、食欲不振などの不快症状がみられることがあります。

検査・診断

第一に選択されるのは鼻や口から胃カメラを挿入して、胃の中を直接観察する上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)です。直接観察することで、萎縮性胃炎の代表的な特徴である、胃の壁が薄くなり粘膜の下の血管が透けて見えたり(血管透見像)、胃の粘膜が腸の粘膜のようになってしまう腸上皮化生が見られたりします。萎縮性胃炎と診断されたら、原因であるピロリ菌の感染があるか調べる検査を行います。胃カメラの際に胃の組織を一部採取して行う迅速ウレアーゼ試験や、血液検査で感染しているピロリ菌に対する抗体量を測定して確認します。また、検査薬を服用し、服用前後の呼気を調べることでピロリ菌の有無を診断する尿素呼気試験や便の中のピロリ菌表面の蛋白質の一部を確認する便中抗原法もあります。さらに、ペプシノゲンと言われる胃の粘膜から分泌されるペプシンという物質の前段階のものの値は胃粘膜の萎縮の程度を知るマーカーとなります。その他、血液検査では胃酸の分泌の程度を評価するガストリンという値や、自己免疫性の萎縮性胃炎の診断のために胃の組織などに対する自己抗体を調べたりすることがあります。

治療

胃炎の治療には、大きく3つの方法があります。薬物療法、ピロリ菌の除菌治療、生活習慣の改善です。何らかの症状のある場合は、食べ過ぎ・飲み過ぎ、コーヒーや香辛料などの刺激物の摂取、飲酒・喫煙などの生活習慣を改善することで、症状の改善・再発予防をはかります。薬物療法は症状に応じて、胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜を保護する薬などを処方します。そして、根本的な治療であるピロリ菌の除菌は、除菌剤である抗生物質や胃の炎症を抑制する薬などを服用します。1日2回の服用を1週間継続し、しばらく時間をおいてから、除菌が成功したかどうかを確かめる検査を行います。喫煙により除菌成功率がさがるとの報告もあります。除菌治療が成功した後であっても、粘膜の炎症・萎縮が改善するには長い期間を要します。そのため、除菌治療が成功した後でも胃がんになる可能性もあります。除菌治療が上手くいった後であっても、定期的に胃カメラなどによる胃がんのチェックを行うことは大切です。

予防/治療後の注意

一度でもピロリ菌に感染したことがある方は、除菌が成功しても胃がんリスクはゼロにはなりません。1年に1回、定期的に胃カメラ検査を受けられることが重要です。

こちらの記事の監修医師

めじろ内科クリニック

久野 伸夫

〇診療科 :内科、消化器科、リハビリテーション科
〇アクセス:東京都豊島区目白3-5-11 NOBビル3階

【経歴】
H5.3月 国立山梨医科大学卒業
H5.4月 日本赤十字社医療センター内科研修
H7.4月 国立山梨医科大学大学院博士課程
H11.4月 山梨県厚生連健康管理センター内科勤務
H12.1月 日本赤十字社医療センター第1内科勤務
H18.12月 めじろ内科クリニック院長

【資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本糖尿病学会専門医
日本医師会認定産業医
労働衛生コンサルタント(保健衛生)
電通健康管理センター非常勤医師

治療に適した診療科目

内科 消化器内科

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