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最終更新日:2022年4月5日

さいきんせいずいまくえん細菌性髄膜炎

こちらの記事の監修医師
日本赤十字社医療センター
木村 俊運

概要

細菌性髄膜炎は、細菌感染症によって引き起こされる髄膜炎の総称です。髄膜炎とは、脳や脊髄を覆う硬膜の内側に炎症が起きる疾患であり、かつて硬膜などの中枢神経を包む膜を「髄膜」と呼んでいたことから髄膜炎と呼ばれます。感染症が原因のことが多く、肺炎球菌やインフルエンザ菌、髄膜炎菌やレンサ球菌などが原因菌となります。ウイルスによる髄膜炎は無菌性髄膜炎ともよばれ、細菌性髄膜炎とは区別されます。病原菌に対する抗菌薬治療が行われますが、抗菌薬は髄液の中まで届きにくいことがしばしばあり、難治性となることが少なくありません。治療しなければ、致死率の高い、予後不良の疾患です。治療の遅れや症状の進行によって、脳や中枢神経系に後遺症が残ることもあるため、迅速かつ専門的な治療が必要となります。

原因

細菌性髄膜炎の原因となる菌は年齢や基礎疾患によって異なります。新生児から生後3カ月未満の乳児の場合、B群レンサ球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、リステリア菌などが主な原因菌となります。また、生後3 カ月以降の乳児〜幼児の場合、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などが原因となり、年長児から青年期では、肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌が原因となることが多いです。成人では肺炎球菌、髄膜炎菌が原因となる他、高齢者の場合には、肺炎球菌、グラム陰性桿菌、リステリア菌に注意が必要です。以上のように、年齢によって原因菌に違いが見られるのが細菌性髄膜炎の特徴の一つであり、治療時には、これらの頻度の高い細菌を対象にした治療が効果的となります。

症状

発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出現する他、けいれんや意識障害などの中枢神経系の症状が出現する場合もあります。重症化すると、記憶や認知機能(思考する力)にダメージを受ける可能性もあり、後遺症の原因となります。髄膜炎のみならず、肺炎や菌血症など、他の感染症を合併する場合も多く、全身的な管理が必要となります。新生児や乳児の場合には、発熱以外の症状として、不機嫌、食欲低下などの症状のみが出現することもあり、この様なケースでは他疾患との鑑別が難しいです。特に初期症状や軽症症例では、風邪やインフルエンザなどの疾患と区別することが難しいことがしばしばあります。

検査・診断

上記のような症状がある場合に、問診、血液検査、尿検査などの基本的な検査で感染症を疑い、レントゲンやCTなどの画像検査で感染源の特定を試みます。髄膜炎が疑われる場合には、必要に応じて腰椎穿刺とよばれる処置を行い、髄液を採取して詳細な検査を行います。髄液中の細菌や炎症の状態を確認することで確定診断を行います。しかし、髄液中からは細菌が検出されないことも少なくありません。血液培養や髄液の培養はとても重要な検査であり、培養によって細菌を特定することができれば、その細菌に対してより効果的な抗菌薬を使用することが可能になります。原因菌が特定できない場合には、経験的に推測される細菌(年齢に応じて異なる)をターゲットとした治療が行われます。

治療

細菌性髄膜炎は一刻も早く治療を開始すべき疾患です。診断や原因となる菌が確定するのを待っている間に病状が進行してしまう可能性があるため、詳しい原因菌が分かっていない段階から、経験的に妥当なことが多く、何種類かの細菌に効く抗菌薬治療を開始します。これをエンピリックセラピーと呼びます。エンピリックセラピーを行うことで、治療開始が遅れることを防ぎます。その後の検査でより詳細な病態や原因菌が分かった場合には、ターゲットを絞った治療に切り替えます。これをデ・エスカレーションといいます。また、発熱や頭痛などに対しては解熱鎮痛剤を使用するなどの対症療法を行います。けいれんや意識障害等の中枢神経系の症状が発現している場合には、抗けいれん剤などが用いられることもあります。

予防

細菌性髄膜炎は命に関わる病態であることが多く、治療開始の遅れによって後遺症が発現する可能性もあります。けいれんや意識障害が起こる場合はもちろんですが、頭痛や嘔吐などを伴う発熱症状がある場合には、無理をせずに早めに医療機関を受診しましょう。早期に抗菌薬治療を開始することができれば、病態の進行を食い止めやすくなります。また、ワクチンにより感染を未然に防ぐことも非常に重要です。

こちらの記事の監修医師

日本赤十字社医療センター

木村 俊運

〇診療科 :脳神経外科

【認定医・専門医】
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
緩和ケア研修会修了者
AANS international membership

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内科 脳神経外科 小児科

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