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最終更新日:2021年10月12日

にほんのうえん日本脳炎

日本脳炎

まとめ

日本脳炎は蚊(コガタアカイエカ)を媒介して感染する疾患である。日本脳炎ウイルスを保有した蚊に刺された後、6~16日間で発症する。人から人への感染は起こらないが、蚊に刺されやすい夏は注意する。日本脳炎ウイルスはブタなどの体内で増殖し、蚊がブタを刺し、他のブタにも刺すことでウイルスが広がる。日本脳炎ウイルスに感染してもほとんどの場合は無症状のことが多いが、100~1000人に1人に脳炎を発症する。発症すると約20~40%の確率で死亡し、回復しても脳などに後遺症が残る。

この病気の原因

ブタなどの体内で増殖したウイルスを、蚊が血液とともに吸い上げ、その蚊が人を刺して感染する。特にブタは蚊に刺されやすく、血液中に多量のウイルスを保有していることが多い。最近では日本脳炎ウイルスを保有した野生のイノシシの報告があった。蚊の行動範囲は2キロメートルとされ、養豚場が近くにある場合は対策を行う。日本国内では、毎年西日本を中心とした広い地域で日本脳炎ウイルスに感染したブタが確認される。6~7月ごろから九州、中国、四国地方ウイルス感染したブタが確認され、8~9月にかけその範囲が拡大する。しかし、日本脳炎ワクチン接種が進み、都市化など生活環境の変化によりウイルスを保有する蚊に刺されることが減少したため、発症者数は年間数名程度である。

主な症状

6~16日間の潜伏期間を経て、突然の発熱により発症する。38~40℃以上の高熱がみられることがある。頭痛、嘔吐、吐き気のほか、意識障害、精神症状などの脳炎の症状がみられることがある。小児が発症すると腹痛や下痢を伴うことがある。うなじの硬直、光線への過敏反応、脳神経症状、筋肉のこわばり、まひ、震えがみられる。高熱の症状がみられる場合、高齢者・幼児の場合は重篤化しやすく、回復後も重い後遺症が残りやすい。

検査/診断の方法

日本脳炎ワクチン未接種の人や不完全接種者(追加接種の未接種の人、接種から年数が経過し免疫が切れた人)、脳炎を発症した人で、海外旅行歴のある人、夏に脳炎を発症した人は日本脳炎の疑いがある。確定診断は髄液検査を行う。髄液中に日本脳炎ウイルスの遺伝子やウイルスに対する抗体が確認されると、感染がほぼ確定される。海外旅行歴のある人で、日本脳炎と同じ種類の西ナイルウイルスなどに感染していた場合、髄液検査では陽性となるため、鑑別診断の際は注意する。

主な治療方法

疾患に対する効果的な治療はなく、対症療法を行う。高熱とけいれんの症状への対応が重要となる。治療選択のひとつにステロイドを大量に投与する治療法があるが、一時的に症状が改善されても、その後の経過や死亡率、後遺障害の改善にはならない。日本脳炎は症状発症時にはすでにウイルスが脳に到達し、脳細胞を破壊している。一度破壊された脳細胞は修復できず、日本脳炎ウイルスに有効な薬剤が登場しても、発症者を元の健康状態に戻すことは困難とされる。日本脳炎は30年前と比較して死亡率は低下したが、完治率はほぼ変化していないことからも治療が難しい疾患である。そのため、最も有効な対処法は「予防」とされる。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療に適した診療科目

内科 神経内科 小児科 救急科

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