オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2022年2月17日

あめーばせきりアメーバ赤痢

こちらの記事の監修医師
"医療法人社団ウェルリード ささき医院"
佐々木洋 理事長

概要

アメーバ赤痢は、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という原虫が糞便中に検出・排泄され、それに汚染された飲食物等を口にいれたときに感染する大腸の感染症です。 主に衛生環境が悪い熱帯の発展途上国を中心に広く感染者が確認されています。世界全体では約5000万人の患者が1年間で確認されており、死亡者数は年間約10万人と報告されています。発展途上国に限らず、先進国の日本国内でも毎年約1000人の感染者が報告されています。

原因

赤痢アメーバ原虫に汚染された飲食物等を口から摂取することにより感染します(経口感染)。衛生環境が整っている日本では、感染者の約9割に海外渡航歴はありません。日本での感染経路は、発展途上国のような汚染された飲食物等が原因となる経口感染ではなく、性行為が主な感染経路として報告されています。日本での性別感染報告は男性9割、女性1割であり、男性間での性行為が感染経路として問題視されています。また、知的障害者施設での感染報告もあります。

症状

赤痢アメーバ原虫に感染してもすぐに症状があらわれるわけではありません。潜伏期は2~4週間、数か月、数年後と比較的長くばらつきがあります。また、感染した全ての人に症状があらわれるわけではなく、感染しても症状があらわれない場合もあります。感染後の症状としては、粘血便(イチゴゼリーの様な便)、下痢、便意(しかし排便はない)、排便時の下腹部痛、発熱等があげられます。全ての症状が必ずしも発症するわけではなく、合併症を伴った場合に発症する症状もあります。寛解、増悪を長期間繰り返す場合もあるため、日常生活を問題なく送れる場合もあります。

検査・診断

検査、診断方法として、症状の確認(特に粘血便はアメーバ赤痢症の特徴的症状のため、重要となります)、血液検査で血清赤痢アメーバ抗体の確認、便検査、大腸内視鏡検査があります。便検査については一度だけの検査結果では判断はせず、連続3日間の便検査を実施してアメーバ赤痢原虫の検出頻度を高めることが求められています。また、患者の渡航歴、性生活についての問診も重要となります。確定診断としては、赤痢アメーバ原虫の確認となります。

治療

基本的には内服薬によって治療を開始します。抗生物質メトロニダゾールというお薬を約10日間服用します。経口投与が難しい場合は、メトロニダゾールの注射で治療を開始します。糞便中にシスト(アメーバ赤痢原虫の休眠体)が確認される場合は、シストにも効果のあるパロモマイシンの投与も検討します。いずれのお薬もめまい、発疹などの副作用報告があるため、副作用の確認も行います。お薬による治療終了後、症状が消失していたとしても再発の可能性があるため、数か月経過観察を行います。数か月間、症状がみとめられず、赤痢アメーバ原虫が確認されなければ完治とします。

予防/治療後の注意

予防薬、予防接種などは存在せず、自身の日常生活を見直すことで予防することができます。発展途上国などに旅行に行った際は手洗いなどを徹底し、汚染されている飲食物等を避け、熱が通っている飲食物を食べるように心がけるようにすることが大切です。性生活については、経口感染、糞口感染の報告があるため、口と肛門を介した行為は避けるようにしましょう。治療後の注意として、日常生活の見直しを行った上で、パートナーにも検査、治療をすすめましょう。アメーバ赤痢症は症状がでない場合もあるため、パートナーの体内にアメーバ赤痢原虫が残っており、また再感染をおこす可能性があります。

こちらの記事の監修医師

"医療法人社団ウェルリード ささき医院"

佐々木洋 理事長

《 経歴 》
平成10年法政大学経済学部卒業。体育会ラグビー部で学生時代を過ごす。
社会人生活ののち、帝京大学医学部へ入学し、平成18年に卒業。
平成18年より板橋中央総合病院とその関連病院で修練(消化器内科・総合診療内科で医長として診療に従事)
平成29年よりささき医院にて診療を開始。
《 資格 》
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定難病指定医

治療に適した診療科目

内科 消化器内科 胃腸内科 消化器外科 胃腸外科

内科、消化器内科、胃腸内科、消化器外科、胃腸外科のおすすめクリニック