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最終更新日:2021年10月5日

にょうろけっせき尿路結石

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

尿路結石

まとめ

尿がつくられ排出されるまでの経路を尿路とよび、尿路内で不要になった物質が結晶のように集まり石のような状態で尿路中に存在した状態を尿路結石という。結石の多くは腎杯、腎盂、膀胱にてつくられ、結石の位置により、腎結石・尿管結石・膀胱結石などと区別される。結石により尿路が塞がれると激しい痛みを感じ、細菌感染が起こり高熱が出る。長期間放置すると腎臓に負担となり腎機能低下がみられることがある。再発が多い疾患であり、結石の成分を調べることが再発予防となる。高齢の男性や閉経後の女性に発症者が多い。

この病気の原因

尿路の通過障害、感染、寝たきりまたは骨折、動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取、内分泌・代謝異常など複数の要因が絡み発症するとされる。半数以上は原因不明の特発性結石症であるが、まれに遺伝性で発症する。骨のカルシウムが血中に移行し血液中のカルシウムが高濃度になり結石ができやすくなる「原発性副甲状腺機能亢進症」も発症原因と考えられる。

主な症状

結石の大きさと症状の重さは関係しないことが多い。腎内の結石の多くは無症状で経過するため、数cmの大きさに成長することがある。結石が尿管に嵌頓(かんとん)すると、わき腹や下腹部が突然激しく痛む。夜間や早朝の発症が多くみられ、2~3時間痛みが継続し、その間は数分おきに痛みが強くなるなど、痛みに波がある。尿の流れが悪くなり、腎臓からの尿の出口となる腎盂・腎杯が腫れて水腎症を発症することがある。水腎症は腎臓で作られた尿の流れがせき止められ、尿の通り道や腎臓内に尿が溜まり腎臓が拡張した状態である。腎機能低下や結石の刺激により血尿や頻尿がみられることもある。また、尿路感染症の合併により、高熱が出て重篤な敗血症を起こすことがある。

検査/診断の方法

尿検査で血尿や尿路感染症の有無を確認する。CT検査、超音波検査、レントゲン検査など腹部の画像検査を行い、結石の部位や大きさ、腎臓の形や機能を調べる。CT検査はレントゲンで写りにくい結石も容易に確認可能である。経静脈性尿路造影、逆行性腎盂尿管造影などの造影検査は現在はあまり行われなくなった。超音波検査は体への負担が少なく、小さな腎結石や尿酸結石も診断可能である。

主な治療方法

自覚症状がなく、尿路閉塞や感染リスクがない小さな結石は、原則として治療の必要はない。痛みのある1cm未満の小さな結石は、十分に水分を摂り、鎮痛薬や結石を出しやすくする薬を服薬し、結石の自然排出を待つ。1cm以上の結石など容易に排出されない結石は、薬物治療に加え、体外から衝撃を与え結石を砕く体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、尿道から尿管内に内視鏡を挿入し、結石を砕く経尿道的尿管結石除去術(TUL)、背中から腎臓に穴を開けて内視鏡を挿入し、結石を砕いて摘出する経皮的結石除去術(PNL)のいずれかを選択、あるいは組み合わせて治療を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

再発率70%の再発しやすい疾患であり、再発予防として十分な水分補給とバランスの良い食事が推奨される。水分補給は尿中ミネラルを低濃度にするために重要であり、2リットル/日の尿量を保つようにする。尿中のシュウ酸が固まると結石となるので、シュウ酸を多く含むほうれん草、キャベツ、緑茶・紅茶の摂取制限がいわれるが、極端な制限は栄養バランスが偏るので好ましくない。塩分、糖分、プリン体を多く含む食品、ビール、動物性脂肪やたんぱく質の摂り過ぎに注意する。夕食は控えめにし、就寝4時間前までに済ませることが望ましい。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

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