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最終更新日:2022年4月6日

かかつどうぼうこう過活動膀胱

こちらの記事の監修医師
三軒茶屋あかりクリニック
馬場 克幸

概要

過活動膀胱は、尿意切迫感を伴う頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁を症状の主体とする排尿障害の一種です。尿が膀胱内に十分たまっていなくても尿意を感じる、自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮して失禁してしまうなどの症状が出現します。過活動膀胱は非常に一般的な慢性疾患であり、多くの人が罹患しています。40歳以上で過活動膀胱をもっている人は全体の14.1%、日本国内の推定患者数は約1000万人ともいわれています。過活動膀胱には、脳と膀胱をつなぐ神経のトラブルで起こる神経因性のものと、それ以外の原因で起こる非神経因性のものがあります。原因によって治療方法は異なりますが、膀胱の活動を抑えるための治療が基本となります。過活動膀胱そのものは生命に関わる疾患ではありませんが、頻尿や失禁、いつ尿意が生じるかわからないという不安などから、不安障害などの精神症状を合併し、日常生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性のある疾患です。

原因

過活動膀胱には、脳と膀胱をつなぐ神経のトラブルで起こる神経因性のものと、それ以外の原因で起こる非神経因性のものがあります。通常の場合、膀胱に十分な量の尿がたまると、神経を通じて脳へ信号が伝わり、さらに脳から神経に指令が出されることで尿意を感じ、自分の意志で尿を排泄することができます。しかし、何らかの原因で神経系に異常が生じることで、尿を十分ためられなくなる、突然激しい尿意を感じる、自分の意志とは関係なく排尿してしまうなどの症状が発現します。神経のトラブルが起こる詳しい原因は分かっていませんが、加齢やストレスなどの影響が示唆されています。神経のトラブル以外にも、膀胱そのものの機能異常によって過活動膀胱が出現することもあります。

症状

過活動膀胱の主な症状は、急に尿意を催してしまい漏れそうで我慢できない(尿意切迫感)、トイレが近く回数が多い(頻尿)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)、突然激しい尿意を感じ、トイレまで我慢できずに漏れてしまう(切迫性尿失禁)などです。過活動膀胱患者の約半数が切迫性尿失禁を経験しているといわれています。これらの症状自体は命に関わるものではありませんが、過活動膀胱の症状によって精神的な疾患を合併することも多く、尿意が不安で外出できない、恥ずかしくて人に会えない(会いたくない)など、日常生活や社会生活を送ることが難しくなる可能性もあります。

検査・診断

問診時に過活動膀胱を判定するための簡単な質問が行われます。質問への回答をスコア化することで過活動膀胱を診断することが可能です。脳や神経系の異常、膀胱や尿道などの異常を調べるために、超音波検査、CTやMRIなどの画像検査が行われることもあります。男性の場合、前立腺疾患の影響で頻尿などの症状が出現することも多く、前立腺肥大症や前立腺がんなどを検査しておくことも重要になります。

治療

過活動膀胱の治療方法には、薬物療法や行動療法などがあります。薬を使用することで膀胱の活動を抑制し、激しい尿意や尿もれなどを予防します。また、膀胱訓練や骨盤底筋体操と呼ばれる行動療法(運動療法)を組み合わせることで、、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛え、排尿障害の症状を緩和することが可能です。精神的な不安感などに対する治療やケアも重要であり、過活動膀胱によって引き起こされている日常生活の問題点を総合的に治療していく必要があります。尿のタイミングや回数、水分量などを記録する排尿日誌などを利用することで、患者さん自身が自分の症状をより正確に把握することが可能になり、尿意が出にくいタイミングを認識することができるようになります。

予防/治療後の注意

排尿障害の原因が膀胱や前立腺などにある場合には、原因となる疾患や機能異常を取り除くことで症状を軽快させることが可能です。しかし、明確な原因がわからない場合も多く、ストレスや加齢などによって過活動膀胱が出現していることも少なくありません。骨盤底筋などを鍛える運動を行うことはもちろん、日頃から健康的な食事や運動などを心がけ、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

こちらの記事の監修医師

三軒茶屋あかりクリニック

馬場 克幸

〇診療科 :美容皮膚科,皮膚科,アレルギー科,泌尿器科,形成外科,予防医学

《学歴・職歴》
1981年03月 桐蔭学園高等学校理数科卒業
1988年03月 聖マリアンナ医科大学医学部卒業
1988年06月 第82回医師国家試験合格
1990年04月 聖マリアンア医科大学大学院医学研究科入学
1993年09月 アメリカ合衆国カリフォルニア州カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)にresearch fellowとして留学
1994年03月 聖マリアンナ医科大学大学院医学研究科博士課程修了
医学博士取得(聖医大申請第323号)
2002年04月 聖マリアンナ医科大学付属病院泌尿器科副部長
同大学病院リスクマネージャー、医局長を兼ねる fellowとして留学
2005年09月 聖マリアンナ医科大学泌尿器科学教室助教授
聖マリアンナ医科大学皮膚科登録医
2005年10月 川崎市立多摩病院部長を兼ねる
2007年04月 聖マリアンナ医科大学非常勤講師
都内大手皮膚科美容外科クリニック学術顧問
2009年04月 同クリニック皮膚科医長
センター北ヒロクリニック皮膚科アレルギー科形成外科
2010年09月 聖マリアンナ医科大学救命救急医学(救命センター)登録医
(現在兼任中)
2011年01月 ゆり皮膚科形成外科クリニック
2011年05月 あかりクリニック開業


《研修先・学会活動・専門医》
東京女子医科大学付属病院 皮膚科
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 皮膚科
センター北ヒロクリニック 皮膚科アレルギー科形成外科
(東京女子医科大学形成外科非常勤講師 岡田浩幸院長)
たんぽぽ皮膚科クリニック
(工藤由美子院長)
日本皮膚科学会会員
日本アレルギー学会会員
日本形成外科学会会員
日本泌尿器科学会会員(認定専門医)
日本抗加齢医学会会員(認定専門医)
日本レーザー医学会会員(レーザー認定医)
日本小児皮膚科学会会員
日本臨床皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本美容外科学会会員
日本抗老化医学会会員
日本臨床漢方医会会員
日本スレッドリフト研究会会員
点滴療法研究会会員(キレーション療法認定医)
オバジ専門認定医
アメリカ泌尿器科学会(AUA)会員(~2008)
ボトックス注射認定医(~2010)
LOH 症候群診療ガイドライン検討ワーキング委員会メンバー
日本不妊学会評議員(〜2010)
日本腹空鏡学会会員(認定医〜2010)
抗老化医学会認定サプリメントアドバイザー

《教育》
聖マリアンナ医科大学 医学部4学年 医学英語
(1994年~1996年)
聖マリアンナ医科大学 看護専門学校看護学科2学年 悪性腫瘍
(1995年~2000年)
聖マリアンナ医科大学 医学部6学年 解剖と生理
(1999年~2000年)
聖マリアンナ医科大学 医学部4学年 外傷
(1999年~現在に至る)
聖マリアンナ医科大学 医学部4学年 高齢者と感染症
(2001年~現在に至る)

治療に適した診療科目

内科 泌尿器科

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