最終更新日:2026年4月23日
耳の後ろのしこりを押すと痛い原因|何科を受診すべき?ストレスや悪性リンパ腫の可能性も
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

耳の後ろ(耳の裏)のしこりを押すと痛い、腫れて触ると痛い原因を医師が解説します。ストレスや風邪によるリンパ節炎から、粉瘤、片方だけ痛む神経痛、骨の出っ張りの痛み、痛くない「悪性リンパ腫」の可能性まで。病院は何科を受診すべきかの目安も紹介します。
「耳の後ろにしこりがある…」これって大丈夫?

「耳の後ろや耳の裏に丸いしこりができている」 「しこりを押すと痛いけれど、放っておいても大丈夫?」 「片方だけ腫れて触ると痛い…」
このように、耳の後ろのしこりや腫れに気づき、不安を抱えている方は少なくありません。
耳の後ろのしこりは、リンパ節が骨にあたって痛いだけのケースや、風邪による一時的なリンパの腫れであるケースが多いものの、中には手術が必要な「粉瘤(ふんりゅう)」や、放置すると危険な「乳様突起炎」、また痛みのない「悪性リンパ腫」などが隠れている場合もあります。
この記事では、耳の後ろにしこりができる主な原因や、痛い場合・痛くない場合の違い、病院を受診する目安や、何科に行けば良いのかなどを詳しく解説します。
耳の後ろ(耳の裏)のしこりを押すと痛い!考えられる4つの主な原因

片方だけ、あるいは両方の耳の後ろにでき、触ると痛みを伴うしこりの原因としては、主に以下の4つが考えられます。
頭頚部の細菌感染や風邪、ウイルス感染による「リンパ節炎」
押したときの痛みの原因で最も多いのは生理現象ですが、耳の裏が腫れたり、しこりができたりする病気として多いのは「リンパ節炎」です。 風邪をひいたときなどに、ウイルスや細菌に対して反応して、リンパ節が腫れることが多いですが、直接病原体がリンパ節に入り込むことで炎症を起こすことがあります。 抗生物質の服用や休養により数日で治るケースがほとんどですが、まれに化膿して「化膿性リンパ節炎」に発展することもあるため、痛みが引かない場合は早めに受診しましょう。
垢や皮脂が溜まってできる「粉瘤(ふんりゅう)」
粉瘤(アテローム)とは、皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに垢や皮脂などの老廃物が蓄積してできる良性の腫瘍です。 通常は触っても痛くありませんが、細菌感染を起こして「炎症性粉瘤」になると、赤く腫れ上がり、触ると強い痛みを伴います。自然に消えることはなく、根本的に治すには病院での切除手術(くり抜き手術を含む)が必要です。
耳の後ろの骨の出っ張りに細菌が侵入する「乳様突起炎」
「耳の後ろの骨の出っ張りを押すと痛い」という場合、乳様突起炎(にゅうようとっきえん)の可能性があります。 これは、耳の後ろにある「乳様突起」という骨の中に細菌が侵入し、膿が溜まる病気です。主に急性中耳炎の放置や、治療が不十分だった場合に起こります。 悪化すると顔面神経麻痺や難聴、髄膜炎などを引き起こし、命に関わるケースもあるため、耳の奥の痛みや発熱を伴う場合は直ちに治療が必要です。
皮下の脂肪細胞が増殖して生じる「脂肪腫」
脂肪腫は、皮下の脂肪細胞が増殖してできた「脂肪の塊(良性腫瘍)」です。 粉瘤と同じく通常は痛みを伴いませんが、徐々に大きくなり、神経を圧迫するようになると痛みを感じるケースがあります。悪性ではないため転移の心配はありませんが、大きくなってから手術をすると傷跡が目立ちやすくなります。
「片方だけ痛い」「ピリピリする」場合は神経痛の可能性も

耳の後ろの骨の出っ張り付近に痛みがあり、ピリピリ・ズキズキとした激しい頭痛も伴う場合は、「後頭神経痛(こうとうしんけいつう)」の可能性があります。 これは、首の後ろから後頭部を通る神経が刺激されて起こるもので、片方だけ痛むことが多いのが特徴です。姿勢の悪さ(スマホ首など)、肩こり、精神的ストレスなどが引き金になると言われています。
押しても痛くないしこりは「悪性リンパ腫」の可能性も

「押しても痛くないから大丈夫」と放置するのは危険です。まれに、血液のがんの一種である「悪性リンパ腫」が潜んでいる可能性があります。検索でも「悪性リンパ腫ではないか」と不安に思う方が非常に多くいらっしゃいます。
以下の特徴に当てはまる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 触っても痛くない(無痛性)
- 石のように硬く、押しても動かない
- ゴツゴツしている
- しこりのサイズが1.5cm以上ある
- だんだん大きくなっている
悪性リンパ腫は中学生などの若い世代から高齢者まで発症する可能性があります。しこり以外にも、発熱や寝汗、強い倦怠感、体重減少などの全身症状が現れることがあるため、気になる症状があれば迷わず受診しましょう。
耳の裏の痛いしこりはどんなときにできやすい?

耳の後ろにしこりができやすいのは、主に次のような場面です。
- ストレスや疲労、睡眠不足が溜まっているとき:ストレスや疲労で免疫力が低下すると、リンパ節炎を引き起こしやすくなります。心身ともに無理をせず、健康的な生活習慣を心がけましょう。
- 風邪をひいて抵抗力が下がっているとき:風邪のウイルスによるリンパの腫れは非常に多いため、手洗いうがいなどで風邪を予防することが大切です。
- ピアスホールを開けて間もないとき:ピアスで傷ついた皮膚に細菌が感染し、炎症や化膿を起こしてしこりになることがあります。
「耳の後ろのしこりがマスクの紐に触れて痛い」という場合は、マスクのサイズを大きめにする、マスクバンドを活用する、紐にガーゼを挟むなどの工夫で圧迫感を和らげることができます。
病院を受診する目安と「何科」に行くべきか?

耳の後ろ(耳の裏)や耳たぶ、耳の下にしこりができた場合、 原因が粉瘤や脂肪腫であれば皮膚科や形成外科での治療となる場合がほとんどです。自分で判断するのは難しいため、首から上の専門である耳鼻咽喉科で初期診断を受けるのも良いでしょう。
病院を受診する目安
痛みが軽く、数日で腫れが引くようであれば一旦様子を見ても構いません。しかし、以下の症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
- しこりがいつまでも消えない、徐々に大きくなっている
- 腫れている箇所が赤く熱を持っている
- 触ると激痛が走る、痛みが悪化している
- 痛くないが、硬くて動かないしこりがある
子供の場合は?
子どもに症状が出ている場合は、小児科で診てもらうこともできます。まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
耳の後ろ・耳の裏のしこりが心配なときは早めに受診を

押すと痛い耳の後ろのしこりの病気は、頭頚部の感染症や風邪によるリンパ節炎(反応性リンパ節炎を含む)が原因であることが多く、過度に心配しすぎる必要がないケースも多々あります。
しかし、中には粉瘤の悪化や乳様突起炎、そして痛みのない悪性リンパ腫など、専門的な治療や手術が必要な病気が隠れていることもあります。「ただの腫れだろう」と自己判断して放置すると、思わぬリスクを招くことも考えられます。
不安な症状がみられる場合や、痛みが長引く場合は、決して一人で悩まず早めに医師の診察を受けましょう。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。



