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最終更新日:2021年10月2日

かいようせいだいちょうえん潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

まとめ

大腸の最も内側の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる炎症性疾患で、難病に指定されている。腹痛が頻発し、激しい下痢が起こることが特徴で、便には血が混じることが多い。重症化すると発熱や頻脈の症状が現われ、血便が長時間出て貧血症状なども現れる。栄養摂取が難しくなることから、体重が減少することもある。腸管壁の奥まで炎症が進行するとさまざまな腸管合併症が起こる。男性で20~24歳、女性では25~29歳が発症のピークだが、年齢を問わず発症する。重症患者は少なく90%が軽症から中等症である。長期間にわたり炎症状態が続くとがん化することがある。

この病気の原因

腸内細菌の働きや自己免疫反応の異常、食生活の変化などが原因と考えられるが、はっきりと解明されていない。また、家族内の発症がみられることから遺伝的要因の関与が疑われる。欧米では約20%の患者に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、またはクローン病)を発症した近親者がいるとの報告がある。発症原因と特異遺伝子を解明する研究が行われているが、現時点では研究結果の報告はない。

主な症状

腹痛や激しい下痢が主な症状で、粘液を伴う血便がみられる。重症化すると発熱や頻脈、貧血、体重減少などの症状が現れる。激しい炎症が続き、炎症が腸管壁の奥に進行するとさまざまな腸管合併症を起こす。また、腸以外の全身に合併症が起こることもある。腸管合併症には大量出血、腸管が狭くなる狭窄や、腸管に穴が開く穿孔、中毒性巨大結腸症がある。腸管運動が低下して腸内にガスや毒素がたまると大腸が膨張し、全身に発熱や頻脈などの中毒症状が現れる中毒性巨大結腸症を起こすと、緊急手術が必要となる。腸管外の合併症には関節、皮膚、目の病変のほか、アフタ性口内炎、結節性紅斑などがある。長期間発症していると大腸がん発症のリスクが高まる。

検査/診断の方法

問診にて下痢の回数、便の状態、血便の頻度、腹痛の程度、発熱などの症状や病歴を確認する。血液検査と便検査を行い、他の感染症の可能性がないことを確認し、便に血が混じっているか、貧血の有無、栄養状態などを確認する。大腸内視鏡検査により潰瘍の形態、炎症の程度と範囲を調べた後に粘膜の一部を採取して顕微鏡などで詳しく調べる病理検査を行い、確定診断する。腸内のガスの状態を調べるため腹部エックス線検査を行うこともある。

主な治療方法

内科的治療を基本とする。腸の炎症を抑え、症状をコントロールする薬物治療を行う。潰瘍性大腸炎には、炎症が起こり症状が強く現れる「活動期」と、症状が治まる「寛解期」があり、活動期には炎症を抑えながら寛解を目指し、寛解期には寛解を長く維持することを治療目標とする。炎症が抑えられると下痢、下血、腹痛などの症状が軽減される。寛解を維持するには、症状が治まっても服薬を継続することが重要である。薬物治療の効果が得られない場合や、大量出血や穿孔がある場合、がんの疑いがある場合は外科的治療を選択し、手術にて大腸を全摘出する。大腸全摘出手術を行うと人工肛門をつくることもあるが、近年は小腸で便をためる回腸嚢をつくり肛門につなぐ手術が主流であり、術後は健康な人とほぼ同様の生活が可能である。

治療後に注意すべき点/予防対策

潰瘍性大腸炎には、活動期と寛解期がある。服薬治療などを継続すると寛解を維持することが多いが、再燃して活動期と寛解期を繰り返すこともある。発症から7~8年以上経過すると大腸がんを併発することがあり、症状が落ち着いていても定期的な内視鏡検査が必要である。活動期においては消化が良く、高エネルギー、高タンパク、低脂肪、低繊維の食事を摂取し、刺激物やアルコール、炭酸飲料などは控えめにし、乳製品の過剰な摂取も控える。長期の旅行や激しい運動を避け、ストレスを溜めたり、過労、睡眠不足にならないよう注意が必要である。

治療に適した診療科目

内科 消化器内科 胃腸内科 消化器外科 胃腸外科

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