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最終更新日:2021年10月2日

はいけっかく肺結核

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

肺結核

まとめ

肺結核は肺や気管支への結核菌の感染により発症する。かつては国民病とも呼ばれ、日本人の死亡原因となる疾患の1位であったが、治療薬の開発により現在では完治が見込める疾患となった。しかし、現在も年間2万人近くが発症する疾患である。結核菌は咳やくしゃみなどを介して感染するが、発症しないことも多い。初期症状は風邪に類似し、初期段階で見逃されることもある。早期治療にて重症化を抑えられれば人へ感染させるリスクも低くなるため、早期発見・早期治療が重要である。

この病気の原因

結核菌は肺結核の発症者の咳やくしゃみを介する飛沫感染により、人から人へ感染する。患者が使用した食器などから感染することはない。結核菌に感染しても、必ずしも発症せず、多くは体の免疫機能の働きにより結核菌を抑え込む。抑え込まれた結核菌は活動を停止して体内に留まるため、発症していなければ人に結核菌を感染させることはない。感染者の発症率は約1~2割といわれ、感染直後ではなく感染数ヵ月から1、2年後に発症することが多い。加齢などで免疫機能が低下すると冬眠状態の結核菌が活動し、感染から数十年後に発症することがある。

主な症状

咳、淡、発熱、倦怠感、体重減少、寝汗が主症状である。発症初期は進行が遅く軽症であるため、風邪と間違えられやすいが、2週間以上続く咳の場合は肺結核の疑いがあり、医療機関の受診を勧める。また、血が混じる淡も肺結核の特徴である。進行すると重症化して呼吸困難になり、他臓器にも疾患が広がるおそれがある。重篤な状態を予防し、周囲のへの感染を防ぐために、可能なかぎり早期の段階で発症に気づき、治療開始することが望ましい。特に高齢者は自覚症状が乏しい場合があり注意が必要である。

検査/診断の方法

肺結核を疑う場合は胸部レントゲン検査やCT検査を行い、肺の結核菌の病巣の有無を調べる。また、淡を採取して顕微鏡検査や培養試験を行い、結核菌の有無を調べる。結核菌検査は、ツベルクリン検査や血液検査が行われる。陽性の場合はツベルクリン検査で注射の箇所が赤く腫れるが、BCG接種者にも同様の反応があるので判定が困難な場合がある。このため、最近ではインターフェロンガンマを測定するIGRAと呼ばれる血液検査が行われている。

主な治療方法

薬物治療が基本となる。患者の状態にもよるが、通常は数種類の抗結核薬を6ヵ月間毎日服用する。淡の検査で結核菌陽性の場合は、周囲への感染リスクが高いため、結核病棟に入院し治療を行う。治療隔離入院勧告による入院治療の場合は、国・自治体の医療費補助の対象となる。入院中は医療従事者の前で服薬する直接服薬確認治療(DOTS)が行われる。入院期間は1~3ヵ月で、平均約2ヵ月での退院が多い。退院後も通院により服薬治療を行う。途中で治療を中止すると結核菌に薬が効かなくなることがあるので、医師の指示に従い、治療終了まで服薬することが重要となる。

治療後に注意すべき点/予防対策

肺結核重症化の予防にはBCGワクチン接種が有効とされ、現在では1歳までに接種が行われる。ワクチン接種は結核菌への免疫をつくり、発症後の重症化を予防するが、結核菌への感染予防とはならない点に注意する。結核菌への感染が判明し、患者の状況から発症リスクが高いと診断された場合は化学予防という治療措置がとられることがある。結核菌への感染予防は難しいが、定期的な健康診断が早期発見につながり、感染拡大や重症化を予防できる。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

内科 呼吸器内科

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