オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2021年10月1日

へいそくせいどうみゃくこうかしょう閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症

まとめ

閉塞性動脈硬化症は、主に手足、特に下肢の血管が動脈硬化により硬く細く狭く、詰まってしまい、血液の流れが悪くなり血行障害が起こり、手先や足先へ栄養や酸素が十分に届かなくなる疾患である。初期症状は、手足のしびれや手足が青白く冷たくなる程度だが、進行すると少し歩いただけでも足が痛み、特にふくらはぎが痛みを感じる。さらに進行すると安静状態でも足が痛み、深爪なども治りにくくなる。悪化すると、少しの傷で足先やくるぶしに潰瘍ができ、壊死することが多い。60歳以上で発症者が増加し、特に70歳以上の男性に多い。喫煙が発症リスクとして大きく、糖尿病や高血圧などもリスクとなる。

この病気の原因

心臓から全身の隅々に血液を送る器官である動脈は、内膜、中膜、外膜で構成される。なかでも血液に接する部分の内膜は、血液から必要な成分を抽出するフィルターの役割があり、血液が固まるのを防ぐ役割がある内皮細胞に覆われている。この内皮細胞が生活習慣病などが原因で傷つくと、内膜に悪玉コレステロールと呼ばれる脂肪やカルシウムが付着し、血管が狭く硬くなる。この状態が動脈硬化で、閉塞性動脈硬化症はこの動脈硬化が手足の血管に起こり、酸素やエネルギー源が手先・足先まで十分に届かなくなることが原因で発症する。発症の原因は加齢のほか、喫煙、運動不足、脂質異常症、慢性肝臓病、肥満、高尿酸血症、高血圧症などの生活習慣病が関係するといわれる。

主な症状

閉塞性動脈硬化症の症状は4段階に分けられる。初期では手足がしびれ、青白く冷たいような感じになる。進行すると、少し歩いただけでふくらはぎやおしり・太ももが締めつけられるように痛む。10分ほど休むと痛みが改善して歩けるのが特徴である。さらに進行すると、安静状態でも足が痛み、布団で横になっても刺すような痛みが続き、深爪や小さな傷が治りにくい。悪化すると指先に酸素やエネルギー源が十分に届かず、つま先やかかとなどの小さな傷がきっかけで治りにくい潰瘍などが生じ、壊死することがある。

検査/診断の方法

少し歩くと足に痛みを感じるが、少し休むとまた歩けるようになる「間歇性跛行」の有無などを問診により確認する。両足と両腕の血圧を同時に測り、その比率から下肢動脈の狭窄度を判定する足関節上腕血圧比(ABI)検査、超音波機器により足の血流の状態を調べる超音波ドップラー検査を行うことが多い。検査で異常があれば、造影CT検査、MRA検査、下肢動脈エコー検査などで詳しく血流を調べ治療方法を決定する。さらに詳しく調べるため、入院して下肢動脈造影検査を行うこともある。

主な治療方法

症状に応じて治療法が異なる。手足の冷たさやしびれを感じる初期症状では、進行を遅らせるため禁煙指導などを行い、経過観察のうえ、「歩く」ことを中心とした運動療法を行うことが多い。間欠性跛行の症状があれば、禁煙指導を行い、血液をサラサラにする薬などの薬物療法や運動療法、生活習慣を改善する指導を行う。症状が改善しない場合は、動脈硬化を起こした場所に局所麻酔を行い、狭窄した動脈を広げるカテーテルによる血管内治療を行う。その他、全身麻酔にて硬化した血管の内膜を取り除く内膜摘除術、人工血管・静脈を用いたバイパス手術による血行再建術を行うことがある。潰瘍や壊死に対しては外科的治療が必要だが、切断する場合もある。

治療後に注意すべき点/予防対策

タバコには血管収縮作用のあるニコチンが含まれており、治療のためには禁煙が必要である。足が冷えると血液の流れが悪くなるため、靴下などを必ず履き、入浴して足先を温めるようにする。小さな傷や低温やけどが治りにくく、壊死することもあるため、爪を切るときには十分注意し、夏でも素足は避け、冬はカイロなどが直接皮膚に当たらないよう注意する。靴ずれしにくい靴を履くようにする。また、水虫などの皮膚病に罹患しないよう、清潔を保つことも重要である。また、痛みが現れる前に休憩をとりながら、歩くことも有用である。

治療に適した診療科目

内科 循環器内科 循環器外科

内科、循環器内科、循環器外科のおすすめクリニック