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最終更新日:2021年10月7日

あくせいりんぱしゅ悪性リンパ腫

悪性リンパ腫

まとめ

悪性リンパ腫は血液がんの1つで、白血球のリンパ球ががん化する。リンパ節、リンパ管、脾臓、胸腺、扁桃などのリンパ系組織で発生する。リンパ腫は「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に大別され、前者は腫瘍内に大型腫瘍細胞がみられ、後者はみられないのが特徴だが、病型はさらに細分化される。リンパ球の中のB細胞に由来するホジキンリンパ腫の発症原因に遺伝が関与するとされ、発症者は20~30代の若年者が多い。悪性度の高い非ホジキンリンパ腫は、ウイルス感染などが発症原因とされ、発症者は高齢者が多い。

この病気の原因

健康な人は、リンパ球内でがん細胞がつくられても免疫細胞により排除され、がんを発症しない。免疫力が低下するとリンパ球内でがん細胞が過剰に増加し、悪性リンパ腫を発症すると考えられるが、詳しい発症メカニズムは不明である。細胞内の遺伝子変異によりがん遺伝子が活性化する、ウイルス・細菌への感染が、発症に関与する可能性が高いとされる。発症に関与するウイルスは、エイズの原因となるHIVウイルス、胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)、C型肝炎ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、EBウイルスなどである。その他、除草剤、害虫駆除剤などの農薬、有機溶剤、殺虫剤、動物性たんぱく質、脂肪の過剰摂取が発症に関与するといわれる。

主な症状

発症初期は、首や脇の下、足の付け根などリンパ節の多い部分にしこりが現れる。まれに痛みがあるが、ほとんどの症例では痛みを伴わない。進行すると発熱、全身倦怠感、体重減少、皮膚の赤み、腫れ、かゆみ、嘔吐などの症状がみられる。しこりにより気道、血管、脊髄などが圧迫されると、気道閉塞、血流障害、まひなどを引き起こす。悪性リンパ腫が他臓器や器官へ転移すると、転移先で症状がみられる。肺や気道では呼吸困難や気道閉塞、咳、肝臓では黄疸や腹水、骨では骨痛がみられる。

検査/診断の方法

症状や既往歴などの問診を行い、触診にてリンパ節の腫れを確認する。血液検査、尿検査、リンパ節を採取し、顕微鏡にて観察する病理検査、骨髄中のリンパ腫の細胞の有無を調べる骨髄検査・髄液検査などを行う。診断確定後、リンパ腫の腫れた部分の確認や、治療法検討のため、CT・MRI検査やPET検査(陽電子放射断層撮影)を行う。悪性リンパ腫が全身に広がっている場合は、転移先の臓器について内視鏡検査や脳脊髄液検査などを行う。ウイルスに感染すると合併症が起こりやすいため、感染の有無を調べることがある。

主な治療方法

化学療法と放射線治療が主体であるが、悪性リンパ腫の種類と進行度により治療法を選択する。ホジキンリンパ腫では、抗がん剤などによる化学療法と放射線治療、非ホジキンリンパ腫では、化学療法が中心である。病理診断の結果や全身状態を考慮して治療方針を決定する。ゆっくりと進行する病型で、何年も症状がみられず病巣の大きさもほとんど変化しない場合は、経過観察のみとする場合もある。入院および通院による化学療法は、抗がん剤や、がん細胞のみを選択して攻撃する分子標的治療薬にて治療する。治療薬の効果は全身に及び、検査では不明だった発生部位・臓器への治療効果も期待できる。放射線治療は、病巣が1ヵ所のみの場合に単独治療、あるいは化学療法と併用して行う。化学療法や放射線療法による体へのダメージが大きい場合、造血幹細胞移植による治療を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

発症原因が明らかになっておらず、確実な予防法はないが、日頃から健康状態に注意し、定期的に健康診断を受け、疾患の早期発見・早期治療が大切である。脇の下や首のリンパ節が腫れたときは、早めに医療機関で受診する。悪性リンパ腫は再発しやすく、最初に発症した病型から別の病型に変化して再発することがある。寛解後も3~6ヵ月ごとに診察を受け、再発状況や全身状態を調べるが、気になる症状があれば次の通院日を待たずに受診する。

治療に適した診療科目

内科 血液内科 腫瘍内科 がん内科

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