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最終更新日:2021年10月6日

なるこれぷしーナルコレプシー

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

ナルコレプシー

まとめ

ナルコレプシーは時間や場所を選ばず突然強い眠気に襲われ、居眠りを1日に何回も繰り返す過眠症である。情動脱力発作(カタプレキシー)の症状を伴うこともある。思春期の発症が多く、発症率に男女差はない。夜間十分な睡眠が得られていても日中突然眠気に襲われたり、車の運転中などに突然眠ることがあり、医師の治療が必要である。ナルコレプシーを発症した青少年は眠気や夜間睡眠が妨げられることから攻撃性が高くなり、行動上の問題がみられることがある。

この病気の原因

脳内でヒポクレチン(オレキシン)を作る神経細胞(ヒポクレチン・ニューロンまたはオレキシン・ニューロン)が機能せず、ナルコレプシーを引き起こす。A群溶血性連鎖球菌咽頭炎、インフルエンザなど冬季に流行する感染症が自己免疫過程に影響し、数か月後にナルコレプシーが生じることがある。頭部外傷が発症誘発の原因となることもある。遺伝的要因の可能性もあり、一卵性双生児では一方の児がナルコレプシーであると、のちにもう一方の児もナルコレプシーを発症することがある。

主な症状

3ヵ月間で少なくとも週に3回は我慢できない眠気に襲われ眠り込む症状がみられる。「情動脱力発作」を伴い、笑う、怒る、恐怖を感じるなどの強い感情が働くと、筋肉脱力して頭がぐらぐら揺れる、ろれつが回らない、体勢を保てないなどの症状がみられることがある。重度の場合は眠気により記憶や意識が失われ朦朧とする。入眠時の意識は鮮明だが体を動かせない睡眠まひ(金縛り)があらわれたり、入眠前や覚醒直後に幻覚がある、夜間覚醒し、熟眠感が得られない熟眠障害が起こることもある。

検査/診断の方法

睡眠まひ、入眠時・覚醒時の幻覚の症状は他疾患の可能性があるため、睡眠検査室での検査を行い診断する。一晩かけて睡眠ポリグラフ検査(PSG)を実施し、翌日に反復睡眠潜時検査(MSLT)を行う。検査中に睡眠時の脳波、眼球運動、筋電図、呼吸運動、心電図、酸素飽和度などを記録する。また、覚醒時の眠気を測定する覚醒維持検査を行う。これは静かな部屋で患者が座った状態を維持できる時間を記録することで日中の眠気の重症度を判定し、安全な日常生活を送れるかを判断する。ナルコレプシーはCTやMRIなどの画像検査では異常が検出されないため、検査により他疾患による睡眠障害かどうか鑑別できる。

主な治療方法

生活指導と薬物治療が治療の主体となる。軽症の場合は生活習慣を整えることが基本となる。24時間の睡眠・覚醒状況を睡眠記録表に記録し、医師の指示に従い規則正しい生活を心がける、短時間の昼寝、カフェインの適宜摂取などのが具体的な生活指導である。中等症~重症の場合は薬物療法が行われる。夜間の熟眠障害には睡眠薬、日中の眠気には覚醒作用のある中枢神経刺激薬を服薬する。

治療後に注意すべき点/予防対策

ナルコレプシーの患者には昼寝の時間が長く夜間眠れない人がいるが、規則正しい生活を心がけ、服薬を守り眠気をコントロールすることが重要である。短時間の昼寝は有効である。治療は長期にわたる場合があり、根気よく疾患と向き合う必要がある。自己判断で減薬・中断すると、睡眠のリズムが崩れることがあるので、服薬については必ず医師に相談し、指示に従う。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

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