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最終更新日:2023年2月18日

だっすいしょう脱水症

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

概要

人間の身体は多くが水分でできていて、体重に占める割合はおよそ約60%とされています。そのうち40%は細胞内液、20%は細胞外液として分布しており、さらに細胞外液の15%が間質液に、5%が血液(血漿)として存在しています。また、水分は主に水と電解質で組成されています。「脱水症」とは、人間の体液が失われ、水分や電解質が不足している状態のことをいいます。

原因

脱水は、摂取する水分よりも失う水分が多い場合などに起こります。嘔吐、下痢、利尿薬(尿量を増加する薬)使用、多量の発汗、水分摂取の減少などは、脱水を招きます。さらに、脱水は、高張性脱水(水欠乏性脱水)、低張性脱水(Na欠乏性脱水)、等張性脱水の3つに分類されます。高張性脱水は、体内からはナトリウムなどの電解質よりも水分が多く失われ、体液が濃くなっている状態をいいます。多量の発汗や水分摂取の低下によって起こります。低張性脱水は、電解質が水分よりも多く喪失したタイプの脱水です。嘔吐・下痢や、不適切な輸液でも発症します。多量に発汗したにも関わらず、水などの電解質があまり含まれない飲み物を大量に飲んだ時にも起こります。等張性脱水は、水分と電解質が同等に失われるタイプの脱水です。出血や下痢、熱傷など、急速に細胞外液が失われるときに起こりやすいです。

症状

脱水の症状は、体重の減少率によって変化します。体重減少1~2%の軽度の脱水では、喉の渇きや尿量の減少がみられます。軽い下痢や嘔吐、微熱がみられることもあります。体重減少が3~9%の中等度の脱水では、全身の倦怠感や頭痛、嘔吐、めまい、痰を出しにくい、血圧低下、臓器の血流低下などがみられます。体重減少10%以上の高度の脱水では、心臓や腎臓、呼吸機能不全がみられ、死に至ることもあります。しかし、脱水に伴う自覚症状がないという場合も少なくありません。特に高齢者は、軽度の脱水では症状が明らかになりにくいのが特徴です。

検査・診断

脱水の診断は、症状や医師の診察や、必要に応じて血液検査によって行われます。

治療

脱水の治療として、口からの水分補給が可能な場合には、経口補水液などの投与を行います。飲食が困難なほどに衰弱している場合は、点滴で水分や電解質を補給します。また、脱水を引き起こしている原因を治療することも必要です。例えば、吐き気や嘔吐、下痢がある場合には、嘔吐や下痢をコントロールする薬を使用します。軽度から中等度の脱水であれば、脱水の原因になった問題が解決し、適切な量の水分を摂取できれば、1日もしないうちに治る可能性もあります。重度の脱水または長期間の脱水、血圧低下や意識障害などのショックの所見がある場合には、入院加療が必要となることがあります。

予防/治療後の注意

脱水予防のためには、適切な水分と電解質の摂取が重要です。一般成人の場合、食事も含めて少なくとも一日に2.5リットル以上の水分を補給する必要があると言われています。しかし汗をたくさんかくような暑い日や、長時間の運動の前後、嘔吐や下痢がある場合などには、身体が必要とする水分量が増えます。またそれらの場合は、水分だけでなく電解質も失っており、水分だけでなく電解質も速やかに補給する必要があるため、イオン飲料を摂取することが望ましいでしょう。心臓や腎臓に持病がある場合は、どのように水分を補充するのが安全か、運動の前に主治医に相談しておくとよいでしょう。高齢者は特に、水分摂取量の減少に注意が必要です。喉の渇きを感じにくかったり、失禁や夜間のトイレを気にして飲水を我慢したりして、水分摂取が減少しやすいです。また入浴中や就寝中は想像以上に発汗しますので、入浴前後や就寝前、起床時などにも意識的に水分補給をするようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

〇診療科:内科・感染症内科・小児科・アレルギー科・トラベルクリニック

【学歴 】
私立駒場東邦中・高等学校(1982-1988)
昭和大学医学部医学科(1988-1994)
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科(熱帯医学専攻)(1998-2003)
長崎大学熱帯医学研究所(1999)
(Diploma in Tropical Medicine)
タイ王国マヒドン大学熱帯医学部(2001)
(Diploma in Tropical Medicine & Hygiene; DTM&H)
バングラデシュ国下痢症疾患研究所(2002)
(Workshop on Emerging and Re-emerging pathogens)
連合王国ロンドン大学公衆衛生・熱帯医学部(2005)
(Travel Medicine Short Course)

【職歴】
東京慈恵会医科大学付属病院 臨床研修医(1994-1996)
東京慈恵会医科大学付属柏病院・第三病院 小児科助教(1996-1998)
東京慈恵会医科大学付属病院 感染制御部 診療医員(2003-2004)
国立国際医療センター(現:国際医療研究センター)国際医療協力局 厚生労働技官(2004-2005)
国立国際医療センター病院 国際疾病センター(現:国際感染症センター)厚生労働技官(2005-2010)
外務省 在ベトナム日本国大使館 一等書記官兼医務官(厚生労働省より出向)(2007-2009)
国際協力機構(JICA)感染症顧問医(2009-2017)
厚生労働省羽田空港検疫所 非常勤医師(2011-2019)
東京医科大学病院 感染制御部・渡航者医療センター 准教授(2010-2018)
東京医科大学病院 感染制御部 部長(2013-2015)
東京医科大学病院 感染症科 診療科長(2013-2015)
東京医科大学病院 国際診療部 部長(2016-2018)
一般病院・診療所 非常勤医師(2017-2019) 東京都(杉並区、新宿区、葛飾区、世田谷区、千代田区、調布市)、神奈川県(横浜市、川崎市)、千葉県(松戸市、流山市)、埼玉県(所沢市、三郷市、蕨市、羽生市、吉川市、上尾市)、栃木県(真岡市)、群馬県(渋川市)、茨城県(古河市)、山形県(庄内町)、岩手県(奥州市)、北海道(旭川市、釧路市、月形町、江差町)、熊本県(天草市)

【役職】
日本感染症学会評議員
日本熱帯医学会評議員
日本化学療法学会評議員
日本渡航医学会評議員
日本臨床寄生虫学会評議員
日本小児科医会国際委員長
国際協力機構海外協力隊派遣前訓練 感染症講師
株式会社 わらべや日洋ホールディングス釧路工場 嘱託産業医
株式会社JM 嘱託産業医
社会福祉法人ちとせ交友会 嘱託医
株式会社 電通 感染症対策アドバイザー
東京都三鷹市 感染症対策アドバイザー
認定資格
日本感染症学会認定感染症専門医・指導医
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本医師会認定産業医
日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター(ICD)
身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
国際渡航医学会認定医(CTH® )
米国熱帯医学会認定医(CTropMed® )
一般旅行業務取扱管理者
PADIスクーバダイビングインストラクター(OWSI)
日本臨床内科医会認定医(~2013)日本人間ドック学会認定医(~2014)日本温泉気候物理医学会温泉療法医(~2015)日本化学療法学会抗菌化学療法指導医(~2017)

治療に適した診療科目

内科

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