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最終更新日:2021年10月6日

はいがん肺がん

肺がん

まとめ

気管、気管支、肺胞の細胞にできる悪性腫瘍を肺がんという。周囲の組織に浸潤して増殖し、腫瘍ができた場所から離れた臓器(脳、骨、肝臓、副腎、リンパ節)などに転移しやすいがんである。肺がんの患者数は近年では増加傾向にあり、がん全体の死亡者数では肺がんが1位である。肺組織から発症したがんを原発性肺がん、他臓器から発症して肺に転移したがんを転移性肺がんという。肺がんは病理検査の組織型により、小細胞がんと非小細胞がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなど)に大別される。

この病気の原因

小細胞肺がん、扁平上皮がんの発症には喫煙が関与し、非喫煙者に比べ発症率が高い。ヘビースモーカーの人ほど肺がんになりやすく、死亡率も高い。また、喫煙の開始年齢が低いほど、発症リスクが高くなるとした報告がある。また、受動喫煙も問題とされ、周囲の人が喫煙している環境にいる場合は注意が必要である。喫煙を原因として発症する慢性閉塞性肺疾患は肺がんを引き起こしやすい。腺がんは非喫煙者でも発症するが、進行が遅い型もあり、小細胞肺がんや扁平上皮がんと比べて根治率が高い。アスベスト、クロム、ラドンなどの有害物質や大気汚染も発症の原因となることがある。高齢、男性で発症率が高い。

主な症状

肺がんの組織型により症状は異なるが、初期段階では目立った症状がみられないことが多く、症状に気付き受診したときには進行していることが多い。定期的な健康診断での胸部エックス線検査や、胸部CT検査による早期発見が重要である。進行すると咳、たん、発熱、倦怠感、胸痛などの症状が現れる。呼吸時に喉が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と鳴る喘鳴、息切れもみられる。喘鳴や息切れなどは他の呼吸器疾患にもみられる症状であるが、症状が続くときは検査を行ったほうがよい。血痰があると肺がんが強く疑われる。

検査/診断の方法

肺がんの進行度分類(TNM分類)を用いて、肺がんの組織型と組み合わせて治療方針を決定する。胸部エックス線検査やCT検査などで肺がんを疑う影が見つかれば、精査を行う。淡の採取による細胞診、カメラの付いた細い管を気管支に入れ、気管の内側や状態を調べる気管支鏡検査、CTガイド下針生検などで腫瘍を採取し、病理検査を行う。場合により、胸腔鏡下手術や開胸手術などを行う。進行度はPET-CTやMRI検査にて診断する。

主な治療方法

近年、肺がん治療は進化している。標的となる遺伝子のみに作用する分子標的治療薬や免疫によりがん細胞を攻撃する免疫チェックポイント阻害薬をはじめ、放射線治療機器の進歩により、予後改善にも影響している。肺がんの診療ガイドラインでは組織型、あるいは遺伝子変異の有無などにより推奨される治療方針が細分化されている。かつては進行した肺がんは治療成績が悪かったが、治療の進歩により予後も変化している。肺がんの早期発見例では胸腔鏡下手術などの低侵襲手術を行い、術後はほとんど痛みを感じない人も多い。肺がん手術ではロボット手術を導入した医療施設が増え、狭い箇所での確実な操作や術野を立体画像にて確認できるため、今後の発展が期待される。術後は、副作用対策を行いつつ、抗がん剤が投与される。分子標的治療、免疫治療、放射線治療でも同様に副作用対策がされている。

治療後に注意すべき点/予防対策

定期的に健康診断を受け早期発見に努める。現在肺がんと診断された人のうち、6~7割が手術不可となった進行例である。胸部エックス線検査のみでは発見可能な肺がんが限定され、低線量のCT検査が肺がんの発見に有用とされているが、肺がん検診として行う自治体は少ない。特に65歳以上の人は、人間ドックなどで年1回胸部CT検査を受けることが望ましい。肺がん治療は治療の進歩により以前よりつらい治療が減ってきており、定期的に検査を受け、早期発見・早期治療に努めることが重要である。

治療に適した診療科目

内科 呼吸器内科 腫瘍内科 がん内科 外科 呼吸器外科 腫瘍外科 放射線科

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