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最終更新日:2022年7月6日

ういるすせいいちょうえんウイルス性胃腸炎

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

ウイルス性胃腸炎

概要

ウイルス性胃腸炎は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどの感染によって起こる病気です。アデノウイルスによる胃腸炎は、多くは乳幼児に見られます。また、ノロウイルスによる胃腸炎は冬に多く見られます。感染経路は、人から人への感染と、汚染されたものからの感染があります。主たる症状は、突然の嘔吐から始まります。診断は臨床症状や流行状況から行い、通常はウイルス検査までは行いません。特別な治療法はなく、水分補給、安静および整腸剤を使って対症療法を行います。周囲への感染予防のため、嘔吐物・便の処理法が重要です。下痢や嘔吐が止まっても、1∼2週間は便からウイルスが出ることがあるため、感染予防を続けましょう。

原因

ウイルス性胃腸炎の原因はウイルスの感染で、多くはロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなどの感染です。感染経路は、人から人へ感染と、汚染された食品や物からの感染があります。人から人への感染は、感染者の嘔吐物や便に触った手指からや、その手で触れた食材を口にすることで起こります。嘔吐物が乾いて、そこからウイルスが飛び散り、そのウイルスを吸い込んで感染することもあります。汚染された物からの感染は、ウイルスで汚染された水あるいは二枚貝を加熱不十分なままで食べることで感染します。ウイルスが感染してから、1~2日で症状が現れるのが普通です。ウイルスの感染により、胃腸の消化吸収力が低下することでたくさんの食べ物や飲み物が入ると、嘔吐下痢をくりかえします。

症状

ウイルス性胃腸炎は通常突然の嘔吐からはじまります。むかむかする感じがあり何回も嘔吐します。1日1~2回の嘔吐が2~3日続くこともあります。嘔吐に続いてみられるのが下痢です。3日~1週間程度下痢が続きます。赤ちゃんでは、もっと長引くこともあります。ロタウイルスが原因の場合、酸っぱい臭いで白色の下痢便が特徴的です。下痢便は徐々に水のようになっていきます。発熱が見られることはまれです。

検査・診断

ウイルス性胃腸炎は症状や流行状況から診断します。通常はウイルス検査まですることはありません。なぜならば、原因がどのウイルスであっても、治療は同じであり、特効薬もないからです。ただし、食歴や海外渡航歴などから細菌性胃腸炎が疑われる場合は、便の培養検査することがあります。

治療

ウイルス性胃腸炎には特別な治療法はありません。必要なのは、脱水を防ぐために、水分補給、安静、整腸剤で症状に応じた治療をすることです。応急手当として、嘔吐した直後は食べたり飲んだりすることを中止します。吐き気がなくなったようでしたら、スプーン1杯程度の水を少しづつ補給してください。一度にたくさん水分補給すると、かえって嘔吐してしまうので注意が必要です。吐き気止めの座薬を使う場合は座薬を入れて1時間程度してから、少量ずつ頻回に水分補給します。水分補給の際は経口補水液が勧められます。経口補水液は点滴の成分に近く、ブドウ糖やナトリウムなどの電解質が調節された液です。脱水症状が強いときは点滴しますが、軽いときは経口補水液でも構いません。水分を飲んでも吐かなくなれば、お粥やうどんなど消化の良いものを少量づつ食べるようにします。それでも嘔吐が続く場合は医療機関を受診してください。

予防/治療後の注意

嘔吐下痢がある場合は家族の中で最後に入浴するようにしてください。また、嘔吐下痢が止まっても、1∼2週間は便にウイルスが出てくることがあるため、手指の消毒などの感染対策が必要です。調理の前後、食事前、トイレ後の手洗いをしっかり行いましょう。タオルは共用にせず、専用のタオルかペーパータオルを使ってください。トイレに窓がある場合は、開けて換気しましょう。二枚貝を食する時は、湯通しだけでなく、しっかりと加熱してください。貝類を調理した道具も熱湯消毒することが必要です。野菜や果物は、水道水でよく洗うようにします。感染した人の嘔吐物や便からの感染に気をつけてください。吐物や便の処理をする時にはマスクや手袋を装着し、すぐに処理する、乾燥させない、汚染された場所を消毒することが大切です。処理や消毒には50倍に薄めた塩素系漂白剤(ハイターなど)を使います。

こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

〇診療科:内科・感染症内科・小児科・アレルギー科・トラベルクリニック

【学歴 】
私立駒場東邦中・高等学校(1982-1988)
昭和大学医学部医学科(1988-1994)
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科(熱帯医学専攻)(1998-2003)
長崎大学熱帯医学研究所(1999)
(Diploma in Tropical Medicine)
タイ王国マヒドン大学熱帯医学部(2001)
(Diploma in Tropical Medicine & Hygiene; DTM&H)
バングラデシュ国下痢症疾患研究所(2002)
(Workshop on Emerging and Re-emerging pathogens)
連合王国ロンドン大学公衆衛生・熱帯医学部(2005)
(Travel Medicine Short Course)

【職歴】
東京慈恵会医科大学付属病院 臨床研修医(1994-1996)
東京慈恵会医科大学付属柏病院・第三病院 小児科助教(1996-1998)
東京慈恵会医科大学付属病院 感染制御部 診療医員(2003-2004)
国立国際医療センター(現:国際医療研究センター)国際医療協力局 厚生労働技官(2004-2005)
国立国際医療センター病院 国際疾病センター(現:国際感染症センター)厚生労働技官(2005-2010)
外務省 在ベトナム日本国大使館 一等書記官兼医務官(厚生労働省より出向)(2007-2009)
国際協力機構(JICA)感染症顧問医(2009-2017)
厚生労働省羽田空港検疫所 非常勤医師(2011-2019)
東京医科大学病院 感染制御部・渡航者医療センター 准教授(2010-2018)
東京医科大学病院 感染制御部 部長(2013-2015)
東京医科大学病院 感染症科 診療科長(2013-2015)
東京医科大学病院 国際診療部 部長(2016-2018)
一般病院・診療所 非常勤医師(2017-2019) 東京都(杉並区、新宿区、葛飾区、世田谷区、千代田区、調布市)、神奈川県(横浜市、川崎市)、千葉県(松戸市、流山市)、埼玉県(所沢市、三郷市、蕨市、羽生市、吉川市、上尾市)、栃木県(真岡市)、群馬県(渋川市)、茨城県(古河市)、山形県(庄内町)、岩手県(奥州市)、北海道(旭川市、釧路市、月形町、江差町)、熊本県(天草市)

【役職】
日本感染症学会評議員
日本熱帯医学会評議員
日本化学療法学会評議員
日本渡航医学会評議員
日本臨床寄生虫学会評議員
日本小児科医会国際委員長
国際協力機構海外協力隊派遣前訓練 感染症講師
株式会社 わらべや日洋ホールディングス釧路工場 嘱託産業医
株式会社JM 嘱託産業医
社会福祉法人ちとせ交友会 嘱託医
株式会社 電通 感染症対策アドバイザー
東京都三鷹市 感染症対策アドバイザー
認定資格
日本感染症学会認定感染症専門医・指導医
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本医師会認定産業医
日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター(ICD)
身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
国際渡航医学会認定医(CTH® )
米国熱帯医学会認定医(CTropMed® )
一般旅行業務取扱管理者
PADIスクーバダイビングインストラクター(OWSI)
日本臨床内科医会認定医(~2013)日本人間ドック学会認定医(~2014)日本温泉気候物理医学会温泉療法医(~2015)日本化学療法学会抗菌化学療法指導医(~2017)

治療に適した診療科目

感染症内科 内科

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