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最終更新日:2023年10月20日

逆流性食道炎とはどんな病気?典型的な症状・原因・改善方法を解説

こちらの記事の監修医師
山科駅前おかだクリニック
岡田雄介

(画像=stock adobe.com)

逆流性食道炎とは胃の内容物が食道を逆流することでさまざまな症状が起こる病気です。胃もたれや胸やけ、胃痛などが主な症状で、ストレスや不規則な生活によって悪化します。ただし、このような症状がなくても、検査すると炎症が見つかることもあるので注意してください。逆流性食道炎になる原因、症状を改善する方法についてまとめました。 

逆流性食道炎とは? 

通常、食道は胃酸に触れることがありません。しかし、何かしらの原因で胃の内容物が食道を逆流することがあります。

胃酸から守るバリアが食道にはないため、逆流した胃酸によって食道にただれや潰瘍が生じることがあります。このような胃の内容物の逆流でさまざまな症状を引き起こすのが逆流性食道炎です。

より正確には胃酸が逆流することで起こる諸症状を「胃食道逆流症」(GERD:ガード)と呼び、そのうち、内視鏡検査で炎症などが確認できるようなものを逆流性食道炎と言います。

一方、胃痛や胸やけなどの典型的な症状があるものの、検査で炎症は確認できないようなものは非びらん性胃食道逆流症(NERD:ナード)です。ただ炎症は確認できなくても逆流性食道炎と同様の症状はあり、原因も変わりません。

逆流性食道炎で起こる胸やけ、腹痛などの症状

逆流性食道炎になると次のような症状が出ます。

【逆流性食道炎の症状】

・胸やけ

・呑酸

・心窩部痛(胃痛)

・胃もたれ

・喉の詰まり

・ゲップ

・膨満感(お腹の張り)

・慢性的な咳

逆流性食道炎の症状は多岐にわたりますが、吐血は重症の場合のみで、一般的に見られる症状ではありません。代表的な症状としては胸やけや呑酸が一般的で、特に胃酸の影響を強く受けやすい夜間や早朝などの空腹時に自覚することが多いです。

逆流性食道炎になる原因・症状が悪化する要因

逆流性食道炎になる原因、その症状が悪化する要因には次のようなものがあります。

【逆流性食道炎になる原因・症状が悪化する要因】

・食生活の乱れ

・過剰なアルコール摂取

・喫煙の習慣

・ストレス

・薬剤の影響

・ピロリ菌の治療

・腹圧のかかりやすい姿勢や体型

胃の内容物が逆流する根本的な原因のひとつは、胃と食道の境目にある括約筋の圧力(LES圧)が低下することです。括約筋が緩む(LES圧が低くなる)と胃酸は食道へと逆流してしまいます。

それぞれがどの程度の影響を持っているかには個人差もありますが、日常生活を中心にひとつずつ見直すことが重要です。

食生活の乱れ

チョコレート、コーヒー、炭酸飲料などはLES圧を低下させます。また、脂肪を多く含む食品にはLES圧を低下させるホルモンの分泌を促す働きがあるため、摂りすぎには注意が必要です。

ほかには、柑橘類や刺激のある香辛料は食道を刺激するので、逆流性食道炎の症状があるときの摂取はおすすめしません。

加えて、暴飲暴食により胃の内容物が増えても、一時的ですがLES圧は下がり、逆流しやすくなります。逆流性食道炎の症状がある場合はこれらの摂取や就寝直前の飲食は控え、食事はバランスと適量を意識しましょう。

過剰なアルコール摂取

逆流性食道炎の根本的な原因のひとつとしてLES圧の低下を挙げましたが、胃酸の分泌量が必要以上に増えてしまうのも要因です。

実はアルコールにはLES圧を下げるだけでなく、胃酸の分泌を促進する作用もあります。つまり、過剰なアルコール摂取は2つの方面から逆流性食道炎を悪化させるため要注意です。

喫煙の習慣

喫煙者が禁煙した場合、逆流性食道炎の改善が見られたという報告もあります。タバコを吸う習慣があると、食道運動の機能は低下し、胃酸も逆流しやすくなりますし、タバコに含まれるニコチンには依存性もあるので注意してください。

喫煙は逆流性食道炎だけでなく、さまざまな病気の原因になるため、健康のために喫煙しましょう。

ストレス

胃酸の分泌は自律神経にコントロールされているため、ストレスのケアにも気をつけてください。ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、胃酸過多になったり、分泌のタイミングが狂ったりします。

ストレスは胃の働きを弱めることもあるため、適度に発散して、溜め込まないようにしましょう。

薬剤の影響

治療のために服用している薬の中には、LES圧を低下させるものもあります。例えば、カルシウム拮抗剤、テオフィリン、抗コリン剤などです。また、アスピリンや抗ウイルス剤などは直接、粘膜障害を引き起こすこともあるため、服用中の薬については、医療機関を受診する際に伝えましょう。

ピロリ菌の治療

ピロリ菌の除菌治療によって逆流性食道炎の症状が悪化したというケースもあります。しかし、割合は低く、基本的に一時的・軽症であり、中には症状が改善した例もあるため、過度な心配はいりません。

ピロリ菌の除菌が必要なのであれば、医師の指示に従って治療を受けましょう。

腹圧のかかりやすい姿勢・体型・運動

逆流性食道炎は腹圧のかかりやすい姿勢や体型によって症状が悪化することもあります。前屈みの姿勢は腹圧が強くなるため、長時間、同じ姿勢が続くときは注意してください。

また、痩せているよりも、肥満体型の方が、逆流性食道炎になる危険性は高いです。これは肥満だと胃が常に内臓脂肪で圧迫されている状態になるのが原因のひとつだと考えられます。腹圧のかかる運動でも逆流性食道炎は起こります。腹筋などのし過ぎにも注意が必要です。

逆流性食道炎の治し方

逆流性食道炎の治し方は、「薬の服用」と「生活習慣の改善」です。

手術によって胃酸の逆流を防ぐこともありますが、これは薬で思ったような効果が得られなかったとき、重症化しているときの選択肢です。まずは、医療機関で処方された薬を服用し、並行して生活習慣の見直しを行うことになります。

薬の服用

逆流性食道炎の治療に使用されるのは、胃酸の分泌を抑える薬、胃の消化運動機能を助ける薬、粘膜を保護する薬などです。

人によって症状、状態は異なるため、どのような薬を服用するかは問診や検査で決められます。

生活習慣の改善

前述のとおり、生活習慣や食事の内容、ストレスなどは逆流性食道炎の原因になります。そのため、それらを見直すことで、胃酸が逆流しにくい生活習慣を作ることも重要です。

逆流性食道炎は自然治癒することもある?

逆流性食道炎によって起こる症状が軽く、一時的なものであれば、自然に炎症が治ることもあります。自覚症状がない、もしくは軽い、そして炎症も軽度の場合、生活習慣は改善すべきですが、特別な治療はいりません。

ただ、症状があるのに医療機関を受診せずに放置すると、いつの間にか重症化する危険性もあるので注意が必要です。自分だけで判断せずに、専門医に相談しましょう。

逆流性食道炎とは胃酸の逆流で色々な症状が出る病気|薬の服用や生活習慣の改善が必要

逆流性食道炎とは胃酸が食道を逆流することで、胃もたれや胸やけ、呑酸などの症状を引き起こす病気です。

胃酸の分泌量が多かったり、胃と食道の間の筋肉が緩くなったりすることで胃酸の逆流は起こります。日々の生活習慣とも関係が強いので、症状を感じたら、食事やストレスケアの見直しをしましょう。

もし症状が改善されないなら、病院で胃酸の分泌を抑制する薬などを処方してもらうのも有効です。

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こちらの記事の監修医師

山科駅前おかだクリニック

岡田雄介

おかだ ゆうすけ

≪プロフィール≫
京都出身。金沢大学医学部卒業後、京都第二赤十字病院で研修。
消化器内科を専門とした理由は内視鏡による検査や手術などの技術を磨くことに魅力を感じたため。そのまま同病院に勤務し、消化管腫瘍に対する内視鏡治療を中心に、臨床経験を積んだ。2023年5月、検査や治療に通いやすい消化器内科を作ろうと、3路線が乗り入れる山科駅前に開業した。

≪資格≫
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医、近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医

≪所属学会≫
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会