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最終更新日:2023年2月10日

下痢を出し切る方法はある? 止まらない下痢を早く治す方法

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

残念ながら下痢を出し切る方法はありません。無理せず安静にしてください。できるだけ早く治したい場合は病院を受診するのがおすすめです。水分を十分補給し、消化吸収が良いものを食べて胃腸を休めるのも大切です。 

下痢の原因

下痢が発生する主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

暴飲暴食

食べ過ぎや飲みすぎなど、物理的な刺激が加わることで、大腸の働きが乱れ下痢が発生します。特に、急性の下痢が発生する場合、その多くは暴飲暴食によるものだと考えられます。

食べ物だけでなく、アルコールの過度な摂取も大腸に負担をかけることとなり、下痢が発生するため注意しなければなりません。そのほかにも、冷たい水を飲みすぎると大腸のぜん動運動が活発になり、水分を吸収する前に下痢になることもあります。

ストレス

緊張やストレスなどによって自律神経のバランスが崩れると、大腸の働きにも影響を与え、大腸が過敏に反応し下痢が引き起こされます。ストレスが原因となる下痢の中でも、その大半を占めていると考えられるのが過敏性腸症候群です。これは、体自体には特に異常がないにもかかわらず、下痢や便秘などを引き起こす症状のことです。

食中毒

食べ物から細菌やウイルスなどに感染して食中毒になることで下痢が発生するケースもあります。食中毒になると、体が細菌やウイルスをできるだけ早く体外に排出しようとするため、腸が水分を分泌し下痢の症状が現れるようになります。

下痢を出し切る方法はある?

下痢に苦しんでいる時、「早く下痢を出し切りたい」と考える人もいるかもしれませんが、残念ながら出し切る方法はありません。

下痢になった場合、無理をせずに体を安静にすることが大切です。また、腹痛が続く場合はお腹を温めるなどしてみてください。

下痢になった時の対処法

下痢になった場合、さまざまな対処法で症状の改善を図ることができます。ここでは、具体的な対処法を3つご紹介します。

水分補給

下痢をしている場合、体内の水分やナトリウム・カリウムといった電解質が不足しているため、それらを補給することが大切です。

例えば、スポーツドリンクを摂取することで水分や電解質の不足を補うことができます。ただし、スポーツドリンクはそのまま飲むのではなく、少し水で薄めたうえで、塩を溶かして飲むようにしましょう。また、熱中症の際に摂取する経口補水液もおすすめです。

栄養補給

下痢によって脱水症状を起こすこともあり、そうなると体内の栄養素が失われるため、栄養補給に努めることも大切です。

ただし、大腸の機能は低下している状態であるため、消化の良いものを食べるようにしてください。具体的には、おかゆやうどん、味噌汁、すりおろしたりんごなどがあげられます。

逆に肉や魚、ラーメン、玄米、生野菜、改装、お菓子、パンなどシボ分野食物繊維が多い食材は、消化吸収が悪いため避けるようにしましょう。コーヒーや炭酸飲料、お酒などは大腸に刺激を与えるため控えてください。

なお、調理する際は食材をできるだけ細かく切り、蒸す・煮る・茹でるなどして柔らかくすることがポイントです。

市販薬を服用する

市販薬を服用して症状を抑えることもできます。ただし、市販薬などで無理やり下痢を止めると、細菌やウイルスが体内に留まる可能性があるため、かえって体にダメージを与えかねません。そのため、市販薬を服用する際は、医師や薬剤師に相談し、服用可能かどうかを必ず確認するようにしましょう。

下痢の種類

下痢の種類について、原因や発生するしくみなどとともに解説します。

浸透圧性下痢(しんとうあつせいげり)

腸管での水分吸収が阻害されて起こる下痢です。下剤やアルコール、人工甘味料などによって、消化管の内容物の浸透圧が高くなり、小腸などで水分が吸収されにくい状態になってしまうことが原因です。乳製品でお腹を壊してしまう、乳糖不耐症による下痢も、浸透圧性下痢のメカニズムによって起こります。

原因物質の摂取を控えることで症状は次第に治まります。

分泌性下痢(ぶんぴつせいげり)

腸管からの水分分泌量が増えることで起こる下痢です。コレラ菌や腸管出血性大腸菌のような細菌が有する毒素、ホルモンの影響などによって腸粘膜に障害が起きると、分泌液が過剰となり下痢を起こします。同時に腹痛やおならの増加、発熱の症状が出ることもあります。

ウイルスや細菌など感染症が原因の場合、その治癒とともに回復していきます。排泄量が多くなりやすいため、脱水症状に注意が必要です。

蠕動運動性下痢(ぜんどううんどうせいげり)

腸の蠕動運動(消化管が収縮や弛緩を繰り返すことにより、内容物を食道から肛門へと送り出す動き)が活発すぎる時に起きる下痢です。食べたものが腸を通過する時間が短くなってしまい、水分吸収が不十分になることで引き起こされます。原因は暴飲暴食、カフェインの取り過ぎや、ストレスによる自律神経の乱れなどが挙げられます。薬による腸の蠕動運動の正常化に加え、生活習慣の改善などによって治療します。

滲出性下痢(しんしゅつせいげり)

腸に炎症が起きると、血液成分や細胞液が出て下痢が起きます。また、炎症のために水分吸収能力も低下してしまい、下痢が助長されます。クローン病や潰瘍性大腸炎などが原因として挙げられます。便には血液、膿、粘液が付着することがあります。

下痢が収まらない場合病気の可能性も

下痢がなかなか治らない場合は、さまざまな病気である可能性があります。具体的には以下のような病気が考えられます。

感染性胃腸炎

食べ物や水などからウイルスや細菌に感染し、下痢や嘔吐などが起こる病気です。人やペットとの接触で移ることもあります。症状は他に、腹痛や発熱、悪心などや、ひどい場合は血便や脱水症状を起こすこともあります。ウイルス性ではロタウイルスやノロウイルス、細菌性では、食肉の加熱不十分で起こりやすいカンピロバクター、卵の生食が主原因となるサルモネラ属菌、魚介の刺身などで起こりやすい腸炎ビブリオなどが有名です。

下痢型過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群のうち、下痢が起きている状態を指します。蠕動運動性下痢にあたります。ストレスや緊張によって、腸の蠕動運動が活発になりすぎてしまい、腸管での水分吸収が不十分となることが原因です。通勤や通学の途中で便意や腹痛がたびたび起こるなど、日常生活に支障を来すこともあります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起き、びらんや潰瘍ができる病気です。原因不明の病気で、根治できる治療法がないため難病に指定されています。ただし、症状を適切にコントロールすることで、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることもできます。同じ滲出性下痢にあたるクローン病との違いは、大腸だけに炎症が起こることです。

大腸がん

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんです。早期では自覚症状はほとんどありませんが、進行すると症状が出ることが多くなります。便秘や下痢、血便や腹痛、便が細くなるなどです。大腸がんが進行すると、大腸が狭くなるため便が滞り、 少しずつ数回に分けて便意をもよおしてしまう状態を下痢と勘違いしてしまう事もあります。

このように、さまざまな病気の可能性があるため、少しでも違和感がある、なかなか症状が改善されないといった場合は、病院の受診をおすすめします。

病院を受診する目安

下痢だけでなく嘔吐や腹痛、発熱、血便などほかの症状が見られる場合は、先ほど紹介したような病気の可能性があるため、早めに病院を受診してください。ただし、ウイルスや細菌に感染している場合は、病院内などでほかの人にうつしてしまう恐れがあるため、事前に病院に伝えたうえで受診のタイミングを調整する必要があります。

ストレスが原因の下痢である場合、症状が長引くケースはよくありますが、ほかの病気を伴っている可能性もゼロではありません。そのため、症状が長引いている場合も面倒がらずに早めに受診してください。

なお、診療科は消化器内科となりますが、症状によってはその後適切な診療科を案内される場合もあります。

受診する際のポイント

病院を受診する際は、症状についてできるだけ詳しく伝えることで、医師の診断がよりスムーズになります。具体的には、以下のような点を押さえておくといいでしょう。


・下痢はいつから始まったのか
・下痢以外にも症状が見られるか
・1日何回トイレに行くか(排便の頻度)
・腹痛を伴うかどうか、伴う場合はその程度
・便の状態
・思い当たる原因があるかどうか
・どのような時にトイレに行きたくなるか
・市販薬やサプリメントの服用の有無

など

下痢になった場合は、ぜひ上記のような点をチェックしてみてください。

まとめ

今回は、下痢になる主な原因と、下痢を出し切る方法、下痢になったときの対処法について解説しました。下痢が起こる原因は、暴飲暴食やストレス、食中毒のような病気などさまざまです。また、下痢の際に無理やり出し切るような方法はなく、安静にすることがポイントとなります。下痢の症状が長引いている、下痢以外にも発熱や嘔吐、腹痛などを伴う場合は、できるだけ早いタイミングで病院を受診するようにしましょう。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任