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最終更新日:2021年10月5日

じんうじんえん腎盂腎炎

腎盂腎炎

まとめ

腎臓は血中の老廃物や有害物質をろ過して尿をつくり排泄する役割があります。腎臓内で尿を溜める部分を腎盂といい、この腎盂やその周辺組織が細菌に感染すると腎盂腎炎を発症します。尿の出口から侵入した細菌が、尿道、膀胱、尿管を移動して腎盂に達し炎症を起こすことが多いです。腎盂腎炎が女性に多い理由は、男性に比べ尿道が短く、大腸菌などが常在する肛門と近接しているためです。薬物治療で完治することが多いですが、血流に乗って細菌が全身に広がり重症化すると、生命の危険があります。

この病気の原因

腎盂腎炎は3つの感染経路があります。尿道から細菌が侵入し、膀胱、尿管、腎盂にさかのぼり感染する上行性感染がほとんどですが、まれに他の感染部位から細菌が血流に乗って腎盂に達する血行性感染、リンパ管から腎盂に達するリンパ行性感染も起こります。原因菌は大腸菌が最多で、その他、緑膿菌、腸球菌、ブドウ球菌などがあります。腎盂腎炎には急激に発症して治まる急性腎盂腎炎と、発症を繰り返す慢性腎盂腎炎があり、後者は泌尿器に他疾患があると感染症のリスクが高まります。特に尿路結石や排尿時異常により導尿カテーテルを使用している症例では、細菌が非常に繁殖しやすく注意が必要です。

主な症状

尿道から感染し、急性腎盂腎炎が起こると、排尿時痛、頻尿、残尿感、尿濁などに加え、発熱、全身倦怠感、腎盂腎炎に特有の背部痛・腰痛などの症状がみられます。また、吐気・嘔吐などの消化器症状もみられることがあります。随伴症状として、膀胱炎など尿路全体の炎症が起こりやすく、腎臓に細菌が到達した腎盂腎炎では膀胱炎や尿道炎に比べて重症で、悪寒や震えがくるほどの高熱がみられます。さらに全身に炎症が広がり敗血症になると急激な血圧低下や多臓器不全が起こり、生命の危険があります。一方、慢性腎盂腎炎は比較的軽症で、微熱や食欲不振の症状がありますが、自覚症状のないこともあります。しかし、強い症状がみられることもあり、炎症を繰り返すと腎機能低下がみられます。

検査/診断の方法

尿検査を行い、炎症で増加した白血球数、細菌の種類を調べます。白血球数が一定以上で、高熱、腰背部痛があれば急性腎盂腎炎と診断されます。高熱、腰背部痛がなくても、急性腎盂腎炎や膀胱炎の既往があれば、慢性腎盂腎炎が疑われます。尿の細菌培養検査にて原因菌を特定し、感受性検査にて効果のある抗菌薬を調べます。血液検査にて炎症の状態を調べることもあります。また、重症化した際は血液培養検査などで血中の細菌を調べます。排尿困難な症状や、腎機能低下が疑われるときは、患者の状態により超音波検査、腹部造影CT検査などを行います。

主な治療方法

原因菌を排除する抗菌薬治療が基本です。軽症では抗菌薬内服治療ですが、中等症、重症では抗菌薬の注射や点滴治療を行い、入院することもあります。腎盂腎炎と診断されたら、想定される幅広い原因菌に効果のある治療薬を使用します。尿細菌培養検査、感受性検査の結果から、原因菌への効果の高い抗菌薬に変更することもあります。また、他の泌尿器疾患があれば、合わせて治療行います。1~2週間の治療で回復することが多いです。症状が軽快すれば注射薬での治療から内服薬治療にに切り替えます。抗菌薬内服は、一定期間に適切な量を服用しないと十分な治療効果が得られません。また、症状が治まっても体内に菌が残存するため、服用中止すると体内に残った菌が再び増殖することもあります。処方薬は医師の指示に従い必ず飲み切りましょう。

治療後に注意すべき点/予防対策

腎盂腎炎になる前の膀胱炎の早期の段階で医療機関を受診することが大切です。膀胱炎は自覚症状に乏しいこともありますが、排尿時痛、頻尿、尿濁などに気づいたら早めに受診しましょう。尿路感染症全般にいえる日常生活での注意点は、入浴、シャワー、排便時の拭き取り時には陰部を清潔に保つことです。また、尿道に侵入した細菌を尿で流すことも大切です。水分を多めに摂り、トイレを我慢せず、膀胱に尿を溜めないようにすると細菌の繁殖を抑えられます。

治療に適した診療科目

内科 泌尿器科

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