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最終更新日:2021年10月6日

うつびょううつ病

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

うつ病

まとめ

うつ病とは脳機能に何らかのトラブルが生じ、「憂鬱(ゆううつ)な気分」を主症状とした病的な精神状態にあることをいう。「興味や楽しみを見出せない」、「疲れやすい」、「活動性が低下する」などの症状がみられ、精神面と体力面の両方で生命力が低下する疾患で、ときに身体的症状を伴う。憂鬱な状態は本来、時間経過とともに自然治癒力により和らぐが、改善せず悪化して仕事、家事、勉強、人との関わりなど日常生活への支障が出ると「疾患」として捉えられる。

この病気の原因

うつ病は、日常生活のさまざまな出来事が複雑に結びついて発症要因となる。「家族や親友の離別・死別」、「仕事、財産、家庭の喪失」、「人間関係のトラブル」など環境の変化により発症することが多い。また、性格の傾向も発症要因となる。脳のエネルギーの欠乏状態をうつ状態とすれば、「義務感が強い、仕事熱心、完璧主義、几帳面、凝り性、他人への配慮」など脳のエネルギーの放出が多い性格の人は、うつ病の発症リスクが高くなる。その他、遺伝的要因や慢性的な疾患があり、「セロトニン」や「ノルアドレナリン」などの感情に関連した情報伝達物質が脳内で正常機能しない場合に発症が誘発される。

主な症状

うつ病の主症状は「楽しみや喜びの喪失」「良いことが起きても憂うつな気分が続く」「趣味が楽しめない」というもので、この症状が2週間以上続くことをうつ病と呼ぶ。早期に症状を自覚できれば本格的な発症を予防できるが、生活習慣病に似て症状は自覚しづらい。不安を感じた場合はためらわずに受診することが大切である。また、うつ病自覚の尺度として最近では「睡眠」が注目されている。「入眠に30分以上かかる、中途覚醒が多い、早朝に目が覚める、熟睡感がない」などの自覚症状があれば、まず生活習慣を見直し、脳のエネルギー欠乏状態を防ぐこともうつ病の予防になる。

検査/診断の方法

血液・尿検査、体温・血圧・体重測定を行い、抑うつ状態の原因を身体的疾患と鑑別する。服薬中であれば抑うつ状態との関連・影響を調べる。問診にて「現在の悩み」や「生活の中での変化」を確認する。診察時、患者家族が同席している場合は、第三者からみた患者の状態を確認し、会話の内容に加え表情や全体の様子も踏まえて総合的に診断する。うつ病の診断基準として、アメリカ精神医学会がまとめた「DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)-5」が用いられる。

主な治療方法

うつ病の治療には「休養」、「薬物療法」、「精神療法、カウンセリング」の3つがある。「休養」は、仕事量を減らし、残業を控える段階から、休職して自宅療養~入院段階があり、患者の状態をみて判断する。「薬物療法」の場合、セロトニンやノルアドレナリンなど感情の調節に関わる神経伝達物質が正常に機能するようサポートする「抗うつ薬」を使用する。抗うつ薬の服用から効果発現まで約2週間かかるが、すぐに効果が現れないことを理由に自己判断で服薬中止せず、医師のの指示に従い一定期間服用する。抗うつ薬は副作用が少ない薬剤が出ているが、眠気や胃腸症状の副作用がありつらい場合は医師に相談する。精神療法・カウンセリングには「認知行動療法」、「対人関係療法」、「森田療法」など様々な治療法があるが、「患者自身が治療へのモチベーションを維持する必要がある」という共通点がある。医師との信頼関係を築き、二人三脚で治療を進めることが重要である。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療期間は「急性期、回復期、寛解後」の3段階に大別され、急性期は休養が最も必要で、回復期は薬物療法および生活指導、寛解後の再発予防には精神療法・カウンセリングを行う。寛解後、自己判断により早期に服薬中止すると再発することがあり、減薬のタイミングは主治医とよく相談し、根気強く再発防止に努める。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

精神科 心療内科

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