オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2021年10月6日

こうないえん口内炎

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

口内炎

まとめ

口内炎は口腔内にできる粘膜炎症で、その大きさは様々で複数個生じることもあり、多彩な粘膜症状が現れる。

この病気の原因

口内炎は、ウイルス、真菌、自己免疫疾患、機械的刺激、貧血、薬の副作用などを原因として発症する。ウイルス性はヘルペスで知られる単純疱疹(ヘルペス性口内炎)があり、思春期以降に初感染すると重篤な炎症を起こしやすく、悪化して水分、食事の摂取ができなくなると入院治療となる。その他、水痘と同種のウイルスが原因の帯状疱疹、夏風邪の原因ウイルスのコクサッキーウイルスによるヘルパンギーナ、幼児、小児に多い手足口病がある。また、麻疹症状では頬にコプリック斑と呼ばれる灰白色の斑点ができることがある。真菌ではカンジダ菌が原因菌である。自己免疫疾患の天疱瘡、類天疱瘡、扁平苔癬では難治性の口内炎が多い。シェーグレン症候群では口腔乾燥症状により口内炎が生じることがある。機械的刺激による口内炎は、義歯や歯の鋭利な部分が強く当たって生じる。舌の尖端に生じる口内炎は、貧血が原因であることが多い。その他、原因不明のアフタ性口内炎や、HIV感染症による口内炎、薬剤による薬疹、多形滲出性紅斑などがある。

主な症状

どの種の口内炎も症状に差はあるが痛みを伴う。ウイルス性の口内炎は、症状が出るまでに発熱することが多い。真菌のカンジダ菌の口内炎は、菌の集合体である白いコロニーが舌背に多くみられる。天疱瘡や類天疱瘡では口腔内に多発性の水疱形成を伴い、機械刺激で水疱が潰れて粘膜の剥離がみられる。口腔扁平苔癬では粘膜の発赤とびらんを伴うことが多い。機械刺激による口内炎は義歯と触れる部分にびらんや潰瘍を伴うことが多い。これらの口内炎が否定され、接触痛が大きく潰瘍を伴う口内炎はアフタ性口内炎と呼ばれる。複数個の小さい潰瘍や、大きな潰瘍ができることもある。貧血状態では舌の前方が赤くなり、痛みを感じることが多い。

検査/診断の方法

ウイルス性の口内炎は、水疱と発熱の特徴からおおよその診断がつくが、確定診断のためには血液検査を行い、ウイルスの抗体価を調べる。カンジダ菌は培養検査により診断できるが、口腔内の常在菌でもあるので、他疾患の可能性も検討する。天疱瘡や類天疱瘡では血液検査、組織を一部採取する病理組織検査にて診断する。口腔扁平苔癬は臨床所見から診断するが、確定診断には病理検査が必要となる。シェーグレン症候群の確定診断には、血液検査や病理組織検査のほか、眼科での検査が必要なこともある。貧血を疑う場合、血液検査を行い、鉄欠乏やビタミンB12欠乏を確認する。薬の副作用を疑う場合は、原因となる薬剤の有無を確認する。

主な治療方法

一般的には含嗽薬と内服薬、または軟膏薬による治療が多い。ウイルス性口内炎は抗ウイルス薬による治療を行うことがある。重度の口内炎は入院して点滴治療が必要なことがある。褥瘡性潰瘍がみられる場合は原因となる義歯や歯を研磨すると速やかに症状が改善する。カンジダ菌が原因の場合は抗真菌薬の含嗽薬、内服薬、口腔粘膜付着型の錠剤により治療する。天疱瘡、類天疱瘡、口腔扁平苔癬ではステロイド内服治療を行う。貧血の場合、鉄剤、ビタミンB12による治療を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

口の中を清潔に保つことが第一となる。定期的な歯科受診で虫歯・歯周病の予防や治療を受けて口腔内の衛生状態を良好に保つようにする。合わない義歯は早期に歯科で調整する。乳児や小児の口腔内で広範囲にみられる小水疱や口内炎は、歯科ではなく小児科の方が適切な治療を受けられることがある。一般的に発熱を伴う広範囲の口腔粘膜疾患は、小児科や皮膚科、耳鼻咽喉科、内科を受診した方が良い場合がある。貧血による舌炎は歯科で対応できないことがあるため、内科へ紹介されることが多い。口内炎は悪性疾患の場合もあり、放置しないことが重要である。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

内科 小児科 皮膚科 耳鼻咽喉科 歯科 歯科口腔外科

関連記事

内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科、歯科口腔外科のおすすめクリニック