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最終更新日:2021年10月6日

いかいよう胃潰瘍

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

胃潰瘍

まとめ

胃粘膜がただれ胃壁が傷ついた状態が胃潰瘍で、さらに悪化すると胃に穴が開く。胃液と胃壁を守る粘液の分泌量のバランスが崩れて胃潰瘍を発症するが、その原因の多くはヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)である。鎮痛解熱剤である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用、ストレスでも発生する。胸やけ、胃痛、膨満感などの症状がみられる。40代以上の人に多い疾患で、ピロリ菌に感染すると20~30代の若年者でも発症する。NSAIDsを服薬している人も注意が必要である。

この病気の原因

胃潰瘍は胃液と胃壁を守る粘液の分泌量のバランスが崩れて発症し、発症要因はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)への感染が最多である。ピロリ菌は胃の中に生息するらせん形状の悪玉菌であり、除菌しないかぎりは胃中に生息し、ピロリ菌により産生された物質が胃の粘膜を傷つけ胃潰瘍を発症する。感染経路は母子感染が多いが、汚染された食物や水の摂取により感染することもある。ピロリ菌は衛生状態の悪い環境で育った50歳代以上が多く保菌しているが、胃潰瘍を発症しないこともある。そのほか、解熱、抗炎症、鎮痛作用のある非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による副作用、ストレスなどで胃粘膜の機能が低下し、発症することもある。

主な症状

主症状はみぞおちから左の脇腹にかけての鈍痛であり、胃酸分泌が正常値より低下するため、空腹時や食後に胃痛を感じることが多い。萎縮性胃炎を併発すると強い吐気、胸焼け、げっぷ、嘔吐、食欲不振などが起こる。症状が進行して出血すると、激しい腹痛、冷や汗、血圧低下、貧血がみられ、黒っぽい血を吐血したり、血の混じった黒い便(タール便)が出ることがある。さらに穿孔すると腹腔内へ胃内容物が漏出し、腹膜炎が引き起こされると強烈な腹痛が起こる。

検査/診断の方法

まずは胃がんとの鑑別検査を行う。内視鏡検査の所見でピロリ菌が発見されることが多い。ピロリ菌の検査は、血液検査、迅速ウレアーゼ試験、尿中抗体検査、便中抗原検査、尿素呼気試験などがある。内視鏡検査では胃粘膜の状態や潰瘍の有無・状態などを確認し、潰瘍の進行レベルを診断する。また、患部の状態を視覚的に確認するだけでなく、胃の検体採取を行うため、胃がんなどの鑑別診断も可能である。

主な治療方法

胃に出血が見られなければ薬物治療を行う。胃酸分泌を抑える薬を第一選択とし、症状により胃酸中和薬、粘膜保護薬を併用する。ピロリ菌に感染していた場合は除菌を行う。除菌は2種類の抗菌薬を投与する。プロトンポンプ阻害薬の約1週間の服薬が標準的である。治療2ヵ月後に尿素呼気試験を行い、菌の有無を判定し菌が残存していれば他の薬剤にて二次除菌を行う。非ステロイド性炎症薬を服用の場合は服用中止し、他の治療薬に切り替えて経過観察する。胃からの出血があるときは、内視鏡治療を行い止血剤を注射し、患部に小型のクリップをかける処置を行い止血する。止血すると再出血のリスクが減少する。

治療後に注意すべき点/予防対策

ピロリ菌が除菌できると治療終了となることが多い。自己判断で薬服を中止すると再発リスクが高くなるので、医師の指示通りに服薬を守ることが大切である。再発を早期確認するため、胃の内視鏡検査を定期的に受診する。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

内科 消化器内科 胃腸内科 消化器外科 胃腸外科

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