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最終更新日:2021年10月6日

あとぴーせいひふえんアトピー性皮膚炎

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

アトピー性皮膚炎

まとめ

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹を主徴とする皮膚疾患で、軽快と増悪を繰り返す。この疾患にかかる人の多くはアトピー素因をもっている。アトピー性素因とは、アレルギー疾患である気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうち1疾患以上本人や家族が罹患しているか、アレルギーに関連したIgE抗体をもった状態である。

この病気の原因

アトピー素因の体質をもっていたり、皮膚のバリア機能の低下などの複数のさまざまな原因により発症する。

主な症状

体の様々な場所に痒みのある湿疹〔皮膚表面にポツポツができる丘疹、皮膚表面が赤くなる紅斑〕が左右対称にできる。湿疹は慢性的に繰り返す。湿疹ができやすい場所は額、目の周り、唇、耳とその周り、首、手足の関節、体幹であり、年齢によっても異なる。乳児・幼児の頃に発症し、小児になり症状が落ち着くこともあるが、成人になっても寛解せず症状が続くこともある。以下の要因では症状悪化がみられる。患部を引っ掻く、汗、だ液、髪や衣類による刺激、化粧品、金属、外用薬、シャンプー・リンスによるかぶれ、ほこり、花粉、ダニ、ペットの毛を吸い込む、食べ物、ストレスなど。

検査/診断の方法

採血にて末梢血好酸球数、血清IgE値、血清LDH値、血清TARC値を測定して疾患の診断、重症度を確認する。血清TARC値は病変により変化しやすいことから、治療効果を確認する際にも重要な数値である。

主な治療方法

アトピー性皮膚炎は完治する治療法がないため、治療目標は寛解を目指すことにある。つまり、症状がほとんどないか、あっても日常生活が困難ではない状態で、薬物治療がほぼ必要ない状態が継続する、あるいは治療中でも症状が軽く、日常生活が困難ではない状態が継続している状態である。治療は、湿疹に対する薬物療法(ステロイド外用剤、タクロリムス軟膏などの外用薬の塗布)、皮膚の乾燥・皮膚のバリア機能低下に対するスキンケア(保湿剤の塗布)を行い、皮膚の痒みに対する薬物療法(抗ヒスタミン薬の服用)を補助療法として行う。難治例・重症例ではシクロスポリン内服療法、紫外線による治療、心身医学的治療を行うこともある。近年は治療薬に生物学的製剤が加わった。アトピー性皮膚炎は外用薬による治療が外来治療の基本であり、疾患の状態に合わせて各治療を適切に追加することが必要である。

治療後に注意すべき点/予防対策

アレルギー疾患(食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息)を合併することが多い。また、皮膚のバリア機能の低下が原因で、ウイルス性の感染症(伝染性膿痂疹、丹毒、蜂窩織炎などの細菌性、カポジ水痘様発疹症、伝染性軟属腫)の併発もみられる。顔面の皮膚症状が深刻な場合は、白内障、網膜剥離などの眼疾患を合併することが多い。合併症は各科(小児科、耳鼻科、眼科、呼吸器内科など)と連携して治療を行う。皮膚の湿疹が治まった後も、皮膚組織には炎症細胞が残り、湿疹ができやすい。再発予防にはプロアクティブ療法を行う。この治療法では保湿剤によるスキンケア、ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏の外用薬塗布を定期的に行う。

こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

治療に適した診療科目

小児科 小児皮膚科 皮膚科

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